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ユカタン半島 遺跡巡りの旅:第15回

カバー遺跡、ウシュマル遺跡

 

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カバー遺跡

  ルータプークの4カ所目は、雨の神チャックの顔がたくさん並んだ神殿の壁で有名なカバー遺跡です。

 カバーはかなり広い遺跡ですが、建築物が修復されて一般公開されているのは、チャックの顔が並んだ壁を持つコズ・ポープ(Codz Poop)と呼ばれる建物を中心とした東グループ(Grupo este)だけです。西側には、大ピラミッドがある中央グループ(Grupo Central)や、展望台グループ(Grupo Mirador)などがありますが、まだ、発掘・修復の手がつけられていないようです(地図参照)。

 遺跡に入るとすぐ東グループの建築物が目の前に現れます。その中心であるコズ・ポープは、大きな基壇の上に建てられた神殿です。壁面をびっしりと覆う雨の神チャックの顔は250個以上といわれており、壮観です。

 残念ながらこの建物は完全に修復されているわけではなく、4つある出入り口横の壁面のチャックはきれいに並んでいますが、上部の壁面のチャックは西端の一部を除いてはがれ落ちてしまっています。チャックの顔は30もの石のパーツを組み合わせてできているそうですから、もし、これを完全に修復するとなると、大変な労力が必要となるでしょう。

 コズ・ポープの裏側の装飾は、幾何学模様の美しい彫刻が施された石をモザイク状にはめ込んであります。そこには人の像もありました。この遺跡の名前であるカバー(KABAH)というのは、マヤ語で「強い手を持つ男」という意味だそうですが、その由来となったのがこの石像なのです。像の手を見ると独特の形をしているのがわかります。

 

カバー遺跡の全体図。東側にチャック顔が並んだCodz Poopがある

基壇の上に見える建物がCodz Poop

たくさんのチャック顔が並んだCodz Poopの正面

チャック顔が並ぶ。長い鼻は多くが折れてしまっているが、表面の細かい彫刻は残っている

Codz Poopの裏側にある、強い手を持つ男の像

 

ウシュマル・魔法使いのピラミッド

   最後は、いよいよウシュマル遺跡です。この遺跡はビジターセンターや接続道路などが15年前に来た時より格段に整備されていました。その分、入場料も高くなり、なんとここだけで、ツアー料金の159ペソを上回る177ペソも取られました。ユカタンの遺跡では、チチェンイツアと並んで最も高い入場料ですが、それだけの価値はありますから仕方ありません。

 ウシュマルは、ルータプークの他の遺跡よりはるかに観光客が多く、賑やかです。遺跡に続く道路を歩いて行くと、正面にそびえているのが 巨大な魔法使いのピラミッドです。

 高さは35mですから、マヤのピラミッドの中でも、それほど高いわけではありません。しかし、正面から堂々とした姿を見るとウシュマルという都市の威厳が感じられます。特徴は、角に丸みを持たせた円錐形になっていることで、角ばったピラミッドより優雅な感じも受けます。

 このピラミッドは、以前は登れたのですが、今は遺跡保護のために登頂禁止となっています。観光客が増えすぎましたから当然の措置ですが、少し残念です。

 ピラミッドの裏側に回ってみると、これが非常に複雑な形をした建物であることがわかります。上部には、蛇が口を開けたデザインの入り口を持つ第4神殿があり、その上に斜め格子模様が浮き彫りになた壁を持つ第5神殿が作られています。そして、神殿に上る階段の横には、まるで上る人を護衛のするかのように雨の神チャックの顔が連なっているのです。この複雑怪奇なデザインはいくら見ても飽きない感じです。

 

正面から見た魔法使いのピラミッド。どこか優雅さが感じられる

ピラミッドの裏側。複雑な構造が現れている

ピラミッド上部の第4神殿(蛇が口を開けたデザイン)と第5神殿

南側の高台から見た魔法使いのピラミッド

 

ウシュマル・尼僧院など

 魔法使いのピラミッドの裏手にあるのが、壁面に見事な切り石細工の装飾を施した尼僧院です。

  建物は広場を囲む形で東西南北に建てられていますが、壁面の装飾はそれぞれデザインが異なっていて、雨の神チャックを中心に、蛇や人物像などが切石細工で細かく表現されています。じっくり見るとその細工の素晴らしさが理解できます。

  尼僧院を南に歩くと、球技場を抜けて総督の館に至ります。この建物は全長100mあり、上部の巨大壁面に施された切り石細工も非常に手の込んだもので、見事です。

 このほか、総督の館の南側には高さ30mの大ピラミッドがあり、この上からは、総督の館、尼僧院、魔法使いのピラミッドを一望することができます。

 

マヤの持ち送り式アーチをくぐると尼僧院の見事な壁面装飾が見られる

尼僧院の中庭から見た東の建物。後ろに魔法使いのピラミッドがある

総督の館の切り石細工

大ピラミッドの上から見た尼僧院(左上)と魔法使いのピラミッド

 

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「第16回」に続く

 



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