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ユカタン半島 遺跡巡りの旅:第9回

世界遺産 カラクムル遺跡

 

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カラクムル遺跡へ出発

 いよいよ世界遺産カラクムル遺跡に出発です。

  タクシーの運転手の提案で、朝6時に出発することにしました。カラクムルまでは、車で国道186号を西に約1時間走り、そこから南に折れて約20分で遺跡行き専用バスの乗り換え所に着きます。そこでマイクロバスに乗り、約30〜40分で遺跡に着くということです。

 朝6時にタクシーに乗り込み、1時間ほどで遺跡に入る分岐点に到着しましたが、そこにあるゲートが閉められており、バスやタクシーなどが列をなしていました。時間が来なければゲートを開けないのかと思いましたが、それにしては、少し様子がおかしいのです。

 運転手が「様子を見てくる」と言って、出て行きました。私も、車外に出て、大勢の人が集まって、なにやら深刻そうに話しているのを見ていました。

  心配しながら待っていると運転手が戻ってきて言いました。「遺跡近くにある二つの村の間でトラブルが起きている。それで、事態を見るために道路のゲートを閉じているんだが、心配しなくてもそのうち開くよ」

 もし、トラブルが長引いて遺跡に入れなければ一大事です。時計を見ながらイライラしていると、1時間ちょっと経過した頃に、ゲートが開きました。森の中は未舗装の道路ですが、カラコル遺跡のようなでこぼこ道ではないので、かなりスピードが出せます。特にタクシーは猛スピードで観光客の車や大型バスを次々と追い抜いていきます。

 「トラブルはあったが、逆にラッキーだった。このトラブルで遺跡専用マイクロバスが運行できなくなり、今日は車で直接遺跡の入り口まで行けるようになった」と運転手が言います。つまり、専用バスの料金190ペソが浮いたということです。

 

遺跡に向かう分岐点のゲート。車が並んでいた カラクムルの案内板

 

カラクムル第2神殿

  カラクムル遺跡に着くと、すぐに遺跡に入りました。先着した3台のタクシーの客、4人だけですから、静かです。道に野生の七面鳥が群をなして歩いていたりします。

 カラクムルはティカルとよく似た、密林の中の巨大遺跡で、そのほとんどが鬱蒼とした森林に覆われています。森の中の通路を歩いて行くと、プラザ・セントラル(中央広場)方面と、グラン・アクロポリス方面に道が分かれています。他の人たちはグラン・アクロポリスに向かったため、私は一人でプラザ・セントラルに向かいました。

  プラザ・セントラルはこの遺跡のハイライトです。カラクムルを象徴する第2神殿(Estructura 供砲第7神殿(Estructura 察砲噺かい合わせに建てられています。と言っても、ティカルの第1と第2神殿のように近い距離で向かい合っているわけではなく、400mほど離れています。その間には木々が生えているため地上からは見えませんが、第7神殿の頂上に上ると第2神殿が樹海の上に頭を突き出した様子を見ることができます。

 第2神殿は、なだらかな傾斜の大階段を持つ2層式の巨大ピラミッドです。復元図を見ると分かりますが、屋根飾りがついた3つの部屋を持つ巨大な神殿の後方上部にもう一つの神殿を乗せた格好になっています。

 

第7神殿(Estructura 察砲寮橘務段

樹海の上に頭を出した第2神殿(Estructura 供

 
第2神殿の正面階段。ここからは後方上部の神殿は見えない

 
第2神殿の復元図

 

 密林に覆われた第1神殿

  高さ45mある第2神殿の上に登ると遺跡全体が見渡せるのですが、あたり一面樹海に覆われていて、見えるのは第7神殿など高さがある神殿の頂上部のみです。

  第2神殿の東側に回ると、少し離れた所に美しいピラミッド形の第一神殿が密林の中から頭を突き出しているのが見えます。

 この都市はもともと三つの石を意味するオシュテトウンと呼ばれていたそうですが、その後、二つの隣り合う丘を意味するカラクムルと呼ばれるようになりました。その二つの丘というのは、第1神殿と第2神殿のことなのです。

 ベリーズのカラコル遺跡のところでも少し触れましたが、カラクムルはティカルと対立し、紀元500年代中期にカラコルと共にティカルを打ち破ってこの地方の覇権を確立します。ただし、その後、復活したティカルに破れて衰退してしまったそうです。

 第1神殿の頂上に登ると、強い風が見渡す限りの大樹海の上を渡っています。向かいには第2神殿の頂上部が見え、深い密林の中に残されたマヤ人の思いが蘇って来るような気がしました。

 

第2神殿の頂上から第7神殿を望む

密林に囲まれた第1神殿

第1神殿の頂上から見た第2神殿(右側の少し高くなった所にある)

 

 グラン・アクロポリス

 最後はグラン・アクロポリスと呼ばれる未発掘の建物が数多く残されている場所になります。

  カラクムルは広いので、ここまでくると疲れて気力も集中力もなくなります。グラン・アクロポリスには第13神殿(Estructura 将掘砲箸い高い建物があり、この頂上からも第2神殿がきれいに見えます。その他は、低層の神殿や住居跡が並んでおり、未発掘の丘の中腹などには風化して表面の彫刻が完全に消滅した石碑がたくさん残っています。

  この遺跡には各神殿の前などに立つ石碑の数が多いのですが、そのほとんどが風化してしまっているのが残念です。

 いずれにしろ、カラクムルはまだ未発掘、未開発の部分が多く、今後、開発と整備が進めば、ティカルに匹敵するような人気の遺跡になる可能性があるのではないかと思われます。

 

第13神殿の正面。この上からの眺めもいい

グラン・アクロポリスには風化した石碑が数多く残されている
 
 

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「第10回」に続く

 



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