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ユカタン半島 遺跡巡りの旅:第8回

ベカン遺跡、チカンナ遺跡

 

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遺跡巡りの基地シュプヒルへ

 チェトゥマルから西に向かう国道186号線沿いには数多くのマヤの遺跡が点在しています。中でも、2002年に世界文化遺産、2014年に自然と文化の複合遺産に登録されたカラクムルは規模が大きく、近年、注目が高まっている遺跡です。

この遺跡を訪ねる方法としては、カンペチェから出るツアーを利用するのが一般的です。しかし、ツアーは時間の自由も利かないし、ルート上もこのツアーは利用できないので、私は個人で行くことにしました。そこで、まずバスで国道186号線沿いにあるシュプヒルという町に向かいました。

バスは11時50分発の2等バスが一番早いということで、それを選択しました。2等バスといってもそんなに悪いバスではなく、エアコンもきいています。価格も2時間半ほどの距離で70ペソですから1等よりかなり安いと思います。

シュプヒルはかなり小さな町か村と予想していたため、ちゃんとホテルがあるか心配でした。実際に着いてみると、ホテルが5〜6件あり、食堂も同じくらいあるこじんまりした町でした。遺跡巡りの観光客がかなりいるようです。

バス停にタクシーが停まっており、運ちゃんが「タクシー?」と声をかけてきました。そこで、「遺跡に行きたい」と話すと、運ちゃんは運賃表を見せて、値段を説明し始めました。事前情報と価格が一致していたため、このタクシーを雇うことにしました。

 

シュプヒルのバスターミナルと1等バス 遺跡巡りをしたタクシーの運ちゃん

 

ベカン遺跡

  シュプヒルに着いたのは午後2時過ぎですから、この日はもうカラクムル遺跡には行けません。そこで、近くにあるベカン遺跡とチカンナ遺跡に行くことにしました。この遺跡2つを巡ってタクシー代は200ペソ(1400円くらい)でした。

 最初に行ったベカン遺跡は小さな遺跡です。その特徴は、全体図で分かるように全体が堀に囲まれていることです。こういうマヤの都市は他にあまり例がないと思います。

 また、ベカンはこの地方の建築様式であるリオ・ベックの宮殿を見ることができます。メインの神殿群はイーストプラザの周囲を取り囲むように4つありますが、このうち建築物1はリオ・ベックの特徴である二つの塔を持つ低層宮殿です。また、セントラルプラザの前にはベカンを代表するピラミッド型の神殿(建築物9)があります。

 リオ・ベックのもうひとつの特徴は、宮殿壁面を飾る石の彫刻ですが、ここの神殿はほとんど壊れたままで装飾を見ることはできません。ただ、全体的にみて、こじんまりとまとまった雰囲気のいい遺跡です。

 

ベカン遺跡の全体図

頭頂部が壊されたままの四角い神殿「建築物4」

イーストプラザに面した「建築物2」

二つの塔を持つ典型的なリオ・ベック様式の宮殿「建築物1」

 

 チカンナ遺跡

  チカンナも小さめの遺跡ですが、神殿装飾が残っている建築物があるため、かなり見応えがあります。

 ここには2つの代表的な建築物があります。一つは、建築物20と呼ばれる神殿です。この壁面にはリオ・ベック様式の装飾が残されており、プーク様式でもよく見られる雨の神チャックの像が重なったデザインになっています。

 もう一つは、怪物が大きな口を開けているデザインの建築物2です。マヤの神の顔のようにも見えますが、これは蛇が口を開けたデザインだそうです。チカンナというのは「蛇の口の家」という意味だそうで、この建物から名前がついたわけです。

リオ・ベック様式のこうした装飾が見られる遺跡は多くないので、貴重だと思います。

リオ・ベック様式の壁面装飾が残った建築物20

塔の角を飾る雨の神チャックの像

蛇が大きな口を開けているデザインの宮殿。壁面装飾の見事さはプーク様式を上回る

 

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「第9回」に続く

 



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