ティワナク遺跡 (ティワナク文化) ボリビア

世界遺産ボリビア国旗

チチカカ湖畔に花開いた巨石文明

 
 ティワナク遺跡のシンボルとなっている太陽の門
 ティワナクはボリビアの首都ラパスから西に車で2時間ほどの所にある、 プレインカ(インカ以前)時代に栄えた規模の大きな都市の遺構だ。

 ティワナク文化は、形成期の初期(ティワナク鬼)が紀元前200年ほどまで遡り、数多いアンデス諸文化の中でもかなり古い時代に属している。その後、都市として発展を続け、ティワナク拘と呼ばれる西暦1200年ころまで続いた。その間、宮殿やピラミッド状建造物など様々な構造物が作られたが、その特徴はインカ文明につながる巨石加工を得意としていたことにある。

 最盛期には、現在のボリビアからペルーにかけての広い版図を誇ったが、1200年ころになると衰退し、周辺諸族が群雄割拠して争う時代に入る。その中から出てきて、たちまち諸族を平定したのがインカだった。

 遺跡は長い間放置されたために破壊が進み、近年になって行われた修復もほんの一部に過ぎない。このため、遺跡の歴史的な価値に比べて、見るべきものが少ないという のが実情だ。ただ、南米アンデス地域の古代文明史の中で非常に重要な位置を占めるだけに、インカなどに興味がある者には見逃せない遺跡といえる。 。

 

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ティワナク遺跡の入り口付近。左側に博物館、右側には土産物屋や売店などがある。道の先に進むと、ティワナクの町がある。ラパスからの乗り合いワゴンはここに停まる。

 ティワナク遺跡の地図。

 ティワナクの歴史や土器などを展示した博物館。

 ティワナクの特徴的な土器。宗教儀式用の香炉として使われたようだ。

 二つ目の博物館の入り口に立っている一枚石をくり貫いて作った出入り口。シンプルな造形だが、これを作るためにどれだけの労力が必要か考えると、昔の人たちは凄いと思う。

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 遺跡の入り口。

運悪く雨が降ってきた。遺跡の入り口から中に入っていくと、最初のピラミッド状建築物に続く道がぬかるんでいて靴が泥まみれになった。

中に入って最初にあるのがアカパナというピラミッド状建築物。7段の階段状になったピラミッドで高さが17m。ふもとの部分から頭の無い遺体が発見されたことから、生贄の儀式を行っていた神殿と推測されている。

ピラミッドと言ってもかなり変形で、幅は最小部114m、最大部203m、奥行き192m。平らになった頂上部にはアンデス十字と呼ばれる形の半地下式広場が作られていたようだ。

アカパナに隣接して、カラササヤという石壁に囲まれた130m×120mの長方形の建造物がある。カラササヤは近年になって復元されたが、元の建造物とはかなり違っているという指摘があるそうだ。アバウトな想像で古代遺跡を復元してしまうケースは、それほど珍しくない。中には西側の壁を階段を使って乗り越える形で入る。

カラササヤの中にはティワナクで最も有名な太陽の門が立っている。一枚岩を彫り出して作ったもので、建物の入り口だったと推定されている。だが、右角が割れてしまっている。

太陽の門の正面上部にはビラコチャ神が浮き彫りにされておりその両側に、鳥人および走る人とされる2種類の像が繰り返して浮き彫りになっている。その精巧な作りと高度な石の加工技術が印象に残る。ちなみに、この門が立っているのは本来の場所ではなく、元々どこにあったのか分かっていないようだ。

太陽の門の裏側。シンプルに作られている。

カラササヤの西側に立っている石像(モノリート)のエル・フライレ(修道士)。カニの模様のベルトをしている。

カラササヤの東側に立つモノリートのポンセ。保存状態が良く、表面の彫刻も残っている。エル・フライレとは素材の石が異なっているようだ。

カラササヤの外壁は平たく加工された石で装飾されている。これだけ見ると、紀元前2000年に栄えたと言われているペルーのセロ・セチン遺跡に似ている感じだが、時代に差がありすぎる。

カラササヤの東側にある門。ポンセが立っているのが見える。

カラササヤの東側には28m×26mの半地下式の方形広場がある。深さが1.7mあり、水がないプールのような感じ。中央には小ぶりのモノリートが立っており、周囲の石壁には人の顔を彫った石が埋め込まれている。

この人面石は177あり、ビラコチャ神の命によってこの地に現れた様々な人間のグループのシンボルとして彫られているそうだ。

広場の中央に立つモノリート。ユーモラスな顔だ。

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メインの遺跡群から少し離れた場所にあるプーマ・プンクに向かう。

かつて、ここには低層の階段状の基盤の上に神殿が建てられ、基盤を掘り下げた広場もあったようだ。現在は、元の形が分からないほど破壊されているが、あちこちに残る大きな石を削り出して作った大小さまざまな石材は見事な出来だ。

バラバラになった石が放置されており、復元はまったく手付かずになっている。

インカの神殿の壁などを形づくる美しく加工された石が思い出される。石に彫られた形状としては、特に十字が多用されているのが印象的だ。

プーマ・プンク神殿の予想図。

 

ティワナク遺跡の訪問レポートはこちら

南米ボリビア 遺跡と大自然の旅:第2回

謎の巨石文明 ティワナク

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★★★

評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。

アンデス地域の古代文明史の中で非常に重要な遺跡で、知名度も高い。ただ、遺跡そのものの見ごたえはあまりないように感じた。有名な「太陽の門」も、思ったより小さく、期待すると肩透かしとなる。建造物をもう少し復元すると良くなるのかもしれない。ただ、これまでの修復では、資金不足からか、しっかりとした調査に基づかないまま復元してしまっているという問題もある。海外の援助を受けるなどして、本格的な調査と遺跡の復元が進むことが望まれる。
  関連施設には博物館がある。周辺には、レストランや売店などもある。

 

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ティワナク遺跡行きの乗り合いミニバンがラパスの観光の中心、サガルナガ通りの北に位置するセメンテリオ(墓地)の横から出ている。
  出発は人数が集まり次第となっているが、朝9時前には運行会社に行ってチケットを購入したほうがいい。また、市内の旅行会社ではティワナク遺跡行きのツアーを出しているところもある。ラパスからティワナクまでは2時間ちょっとかかる。

 

 



 
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