サン・アンドレス遺跡(マヤ文明) エル・サルバドル





火山被害を越えて栄えた古代都市

サン・アンドレス遺跡のアクロポリス

サン・アンドレスは中米エルサルバドルの首都サンサルバドルの西に位置するサポティタン渓谷にあるマヤ文明の遺跡だ。この周辺には古くから定住集落があったが、西暦250年ころに起きたと言われるイロパンゴ火山の大噴火によって、一帯は火山灰に覆われてしまう。その後、ここに戻った人々により、5世紀になって都市建設が始まり、590年ころに起きたロマ・カルデラ山の爆発による被害を乗り越えて、900年ころまで栄えたとされている。

遺跡を概観すると、南側に中央広場小規模な建造物群が残されているアクロポリス、北側に大広場に面した大型神殿がある。ただ、見学用に整備されているのは、南側のアクロポリス周辺だけで、北側の大神殿周辺は雑草に覆われて放置されている感じになっている。

特に目立つ建築物はないが、中央広場と、それを囲む小規模な神殿群が見所といえる。1時間もあれば十分に見学できる遺跡だが、小さい割によく整備されており、周囲の自然ものどかな感じで楽しめる。

 



遺跡の入り口には立派な施設があり、遺跡と教育用の施設や公園が一体になっている。遺跡の見学者は、まず、サン・アンドレスに関する解説や展示がある博物館を見てから、写真中央の鉄扉を抜けて遺跡に入る。


サン・アンドレス遺跡の案内図(左)、建造物7から出土したマヤの儀式用の石器「エキセントリック」(右)。


入り口から見学路を進むと、南側のアクロポリスにある「建築物7」という低層ピラミッドが現れる。この建物は中心部を土とアドベで形作り、表面を火山の石で覆っている。こうした作りの建物はサン・アンドレスでは建築物7だけなので、特別な儀式などに使われていたと推測される。ここからマヤ独特の儀式用装飾石器「エキセントリック」が出土した。


建築物7の後ろにある中央広場に面して建つ「建造物1」。アクロポリスで最も大きいピラミッド型の神殿。表面を見ると石造りのピラミッドに見えるが、これは、復元作業の際にアドベ造りのピラミッドが崩れないように表面をコンクリートで固めてしまったものだ。


サッカー場ほどの広さの中央広場。その周囲に建築物1〜4が並んでいる。写真中央、建築物3の前に調査用の竪穴(金属製の屋根)があり、この下からトンネルが広場の北側の基盤部分に繋がっているようだ。


上写真とほぼ同じ位置から見た広場の想像図。この図を見ると広場はアドベを積み重ねて全体に高くしてあるのが分かる。ここは、支配階級のための儀式の場で、生贄も行われていたようだ。


中央広場の端から北方向を見ると、雑木林の先に小高い丘のようなものが見える。これが、大広場の先にある「ラ・カンパーナ」と名づけられた「建造物5」だ。高さ20mある、この遺跡で最も大きなピラミッド型神殿。


ラ・カンパーナの復元図。


 ラ・カンパーナを発掘している場所。アドベを積み重ねているのが分かる。


サン・アンドレスの訪問レポートはこちら
第5回 サン・アンドレス遺跡


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勝手に評価

評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。

 小規模な遺跡で、特に見るべき建造物があるわけでもないが、全体的に綺麗で見て損はない。幹線道路沿いに位置するため、サン・サルバドルからバスで比較的簡単に行ける。博物館などの施設も整備されていて、気持ちよく見学できるのもいい。


評価項目     評価
遺跡 ★★
周囲の環境 ★★★
アクセス ★★★
周辺施設 ★★★
お薦め度 ★★

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行き方

 エル・サルバドルの首都サン・サルバドルとサンタ・アナを結ぶパンアメリカンハイウェイ沿いに位置する。サン・サルバドル市内の西バスターミナルから、サンタ・アナ行きバスで約50分。 道路沿いにサン・アンドレス遺跡を示す看板が立っている。ホヤ・デ・セレンから行く場合は、サン・サルバドル行きのバスで、一旦パンアメリカンハイウェイに出て、サンタ・アナ方面のバスに乗り換えればいい。

 



 
ラテンアメリカ博物館
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