ワカ・プクヤーナ (リマ文化)  ペルー

ペルー国旗

膨大な量のアドベで作った大ピラミッド

遺跡の見学路。右が統治センター、奥が祭祀センター、左はレストラン。

ワカ・プクヤーナは、紀元200年ころから700年ころにかけて現在のリマを中心とする海岸部で栄えたリマ文化の遺跡だ。かつては地域支配の中心となる宗教都市だったようで、神事を行う祭祀センター部分と管理や政治などを行う統治センター部分に分かれている。祭祀センターは遺跡中央にある大ピラミッドを中心とした部分。そこに隣接して統治センターがあるが、こちらはほぼ建物の壁の跡が残っているだけだ。

ペルー海岸部の文化の特徴は、建物をアドベと呼ばれる日干しレンガを積み重ねて作っていることにある。水害が頻発する山岳部の文化では、建物が壊れないように頑丈な石を用いたが、雨がほとんど降らない海岸部では泥を天日乾燥させた煉瓦でも十分に巨大な建築物を作れたからだろう。

ワカ・プクヤーナも膨大な数のアドベを積み重ねて巨大なピラミッド神殿を構築している。遺跡に入ると、すぐに大ピラミッドと呼ばれる神殿を見上げることになるが、この建築物は表面を覆う化粧層がないため、むき出しのアドベが積み重なっている様子が見える。

 

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 大ピラミッドの側面。膨大な量のアドベが積み重ねられている様子が分かる。

 大ピラミッドへの上り口。それほど高いピラミッドではないので、坂も緩やかだ。

ここのアドベの積み方の特徴は、一般的な煉瓦の積み方とは違い、縦にしてアドベ同士に少し隙間を持たせたり、斜めにしながら角度を変えてジグザグになるように積んだりしていることだ。ペルーの太平洋岸は地震が多いため、これによって煉瓦が揺れを吸収し、崩れにくくする耐震構造なのだ。


リマ文化が衰退期に入ると、アンデスの山岳地帯から海岸地方にまで勢力を伸ばしたワリ文化(西暦500年〜900年ころ)によってこの地方は支配されてしまう。ピラミッドの上にはワリ時代の墓が作られており、発掘されたミイラを再現した展示もある。


ミラミッドの上からの景観。右下が統治センター。その先には発展するミラフローレスの住宅街が迫っている。


大ピラミッドの側面。すぐ横に道路が走り、住宅が並ぶ。この遺跡の価値が理解されていなかった時代に宅地開発が進んでしまい、今では古代都市が占めていた面積の半分以上に住宅が建てられているそうだ。


 遺跡の再現展示。リマ時代の後にここを祭祀に利用した人たちの儀式の様子。

祭祀センターに隣接した統治センターの跡。右端にあるのがレストラン。特に夜は、夜間照明に浮かび上がるピラミッドなどの幻想的な風景を眺めながら食事ができるということで、観光客などに人気があるようだ。

 日干しレンガを作成する労働者たちの再現展示。

 併設の博物館に展示されている出土品の壺。

ワカ・プクヤーナの訪問レポートはこちら
第1回 リマ:ワカ・プクヤーナ


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評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。

遺跡の評価もお薦め度も★★だが、★★★に近い。リマ市内にこれだけの遺跡があるのだから、空き時間があれば訪ねてみても損はない。

周辺施設としては、遺跡の説明と発掘品を展示している小さな博物館とレストランがある。特に、レストランはかなり高級で、ライトアップされた夜の遺跡を眺めながら食事ができる。遺跡は英語かスペイン語ガイド付きで回るので、ガイド付きのツアーで行く必要もない。

場所はミラフローレスの住宅街にあるので、アクセスにはタクシーを使うのがベスト。昼間ならミラフローレスの中心部から歩いてもいける。

 

 評価項目  評価
 遺跡 ★★
 周囲の環境 ★★
 アクセス ★★★★
 周辺施設 ★★★
 お薦め度 ★★

 

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上記地図上のAがワカ・プクヤーナ。ミラフローレスの中心であるDのミラフローレス中央公園からタクシーなら10分以内。歩いても30分ほどで行ける。

インカ以前の文化の土器や織物などを集めた天野博物館はB。ほかにCのワカ・ウヤマルカ遺跡もある。


 



 
ラテンアメリカ博物館
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