PR

 

南米ペルー 遺跡巡りの旅:第9回

チクラヨ:シパンの王墓

 

前回に戻る 目次に戻る 次回へ進む

 



チクラヨの見所はシパンとシカン

  カハマルカからバスで6時間かけペルー北部の主要都市チクラヨにやって来ました。

 チクラヨは農産物の生産と加工を中心とした産業で栄えている近代的な街です。街の中心部の雰囲気も伝統的なコロニアル様式とは異なった、ネオクラシック的なスマートさが感じられます。ただ、ラテンアメリカのどこにでもある近代的なスタイルの街です。

 チクラヨの見どころは、南米のツタンカーメンと呼ばれたモチェ文化のシパン王の墓とシカン文化の遺跡です。

 シパンとシカンは似ているため、混同しがちです。特に、この二つの遺跡や博物館を巡るツアーに参加すると、何がなんだかよくわからなくなります。注意しなければならないのは、ツアー会社によって催行するツアーのルートが異なることです。

 私はまずシパン王を巡るツアーに参加することにしました。

 ところが、ツアーで最初に連れて行かれたのはトゥクメ遺跡でした。ここはシカン文化の遺跡です。ツアー会社にとってはお客の満足度が大事で、シパンとシカンの違いなどどうでもいいという感じです。しかし、このレポートではシパンとシカンを分けて紹介したいと思います。


町の中心部にはヨーロッパ風の建築物が建つが、コロニアル様式とは違う。産業が盛んで経済的な活気に満ちた感じが伝わってくる。

 

モチェの黄金文化の世界が展開する博物館

  最初の訪問地トゥクメからチクラヨの北12劼里箸海蹐砲△襯薀鵐丱ぅ┘韻箸いΤ垢妨かいます。ここにはシパン王墓博物館とブルーニン博物館があるのですが、チクラヨ最大の見どころがこのシパン王墓博物館です。

 シパン王というのは西暦200年〜700年ころにかけて栄えたモチェ文化の王です。第5回で紹介した「太陽のワカ、月のワカ」を作った人たちですね。

 実際に王墓が発見されたのは、チクラヨから東に35劼曚匹里箸海蹐砲△襯錺・ラハダで、1987年のことでした。墓の内部から黄金をふんだんに使った華麗な装飾品を身に纏ったシパン王や神官などが見つかり、シパン王は「南米のツタンカーメン」と呼ばれたのです。

 その出土品を展示する博物館として作られ、2003年にオープンしたのがシパン王墓博物館(Museo Tumbas Reales de Sipan)です。

 博物館に着くと、まずシパンのピラミッド神殿をモデルにした真っ赤な外観の建物が目に飛び込んできます。館内は写真撮影は厳禁で、バッグなども持ち込むことはできません。入り口で厳しいセキュリティチェックを受けて中に入ると、素晴らしいモチェの黄金文化の世界が展開します。

 黄金の輝きに目を奪われるだけでなく、一つ一つの装飾品の細工の素晴らしさにも感嘆させられます。展示物の量・質共にペルーで比類なき博物館だと思います。また、金銀などを使った装飾品の博物館としてはラテンアメリカで最も見応えがあると言えるでしょう。写真撮影ができないのが残念ですが、仕方ありません。


シパン王墓博物館の外観。派手な赤が青い空の下で輝いて見える。

 

発掘時のシパン王の墓が見れるワカ・ラハダ

    午後からは、シパン王の墓がある遺跡ワカ・ラハダ(Huaca Rajada)に向かいました。

 ワカ・ラハダは、今はただの土の山になっていますが、かつては底辺が100m四方で高さ30mのピラミッド型をしていたそうです。

 大きな遺跡ではありませんが、王の墓がどのような状態で発見されたかを見れる遺跡はあまりないため、興味深いです。


ワカ・ラハダの入り口に立つ看板

アドベ造りの神殿などは時が経つと泥の山に。

発掘されている墓所。

 

多くの人が共に埋葬された王墓

 ここからは、時代が異なる16の墓が発見されているそうです。現在、発見時のシパン王や神官の墓などを復元したものが展示されています。

 注目はやはりシパン王の墓です。王様の墓には一人だけが埋葬されているのではなく、奥さん、子供、護衛、見張り、それに犬まで一緒に埋められていたのです。調査の結果、シパン王は40歳くらいで、身長が166cmだったそうです。死因は、暴力のようなことではなく、病死と推定されています。

 もう一つ重要なのが神官の墓です。こちらも、奥さんや子供、護衛、首のないリャマなどと一緒に埋葬されていました。神官というのは、王と並んでモチェ社会における最も高位の代表者で、神を祀る宗教儀式を司る役割を担っていたということです。年齢は王と同じ40歳くらいで、身長は160cm。病気などに罹っていた様子はないということです。ひょっとしたら王の死に殉じた可能性もありますね。


シパン王(真ん中)の墓。左に戦士、上と下に奥さん(二人いたのか?)、右は王の旗持ち、その上に子供、右斜め上は護衛がいる。

王は顔を完全に隠している。これは表情を他人に見せないようにするためだとか。

神官(青い耳飾)の墓。隣に奥さん、その隣の逆向きは護衛、足元には子供(男の子)がいる。

左は神官の想像図。右はワカ・ラハダの再現動画。

 

 

線

 

「第8回」に戻る

 

「第10回」に続く

 



ラテンアメリカ博物館
Copyright 2013, K.Norizuki.all rights reserved