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南米ペルー 遺跡巡りの旅:第8回

クンベ・マヨ、オトゥスコ

 

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壮大な景観が楽しめる石の森、クンベ・マヨ

 カハマルカ近郊の古代遺跡にはクンベ・マヨとオトゥスコの二カ所があります。

 クンベ・マヨは「精密な水路」という意味だそうで、紀元前1000年までさかのぼる古代の遺跡には違いないのですが、その名の通り基本的に水路しか残されていません。

 しかし、この標高3500mもあるクンベ山麓一体は、石の森(Bosque de Piedras)とも呼ばれており、長い年月をかけて自然が作り上げた、たくさんの巨岩・奇岩が立ち並ぶ壮大な景観が楽しめます。

 カハマルカ発のツアーでは一番人気を誇る場所で、連日大勢の観光客が3時間程度の周遊コースを巡るトレッキングを楽しんでいます。


クンベ・マヨのトレッキングコースの出発点にそびえる石の山。ここにも古代の人たちが岩を加工したり、儀式などに使った跡が残っている。

 

絶景が楽しめるピクニックレベルのコース

 トレッキングコースをたどると、次第にスケールの大きい光景が現れてきます。周囲の山肌に様々な形をした巨岩が立ち並んでおり、それが動物などの形に見えるとガイドが説明をしていきます。

  3500mも標高があっても、カハマルカより少し低いですから、高山病になる人はほとんどいないようです。大勢の観光客が連なって歩いていますが、気分が悪そうな人は見かけませんでした。

 トレッキングといっても、それほど高低差がないピクニックレベルのルートです。参加者はみな、あまり見たことがない絶景を思う存分に楽しんでいるという感じでした。

 最近聞いたところでは、この景色をもっと多くの人に楽しんでもらうため、岩山にロープウエイを掛ける計画があるようです。まあ、足の悪い人でも観光できるようになるのはいいことかもしれませんが、自然を壊すような気がして、あまり賛成できません。


山の上から見たクンベ・マヨの谷筋。底の方に見える道の筋がトレッキングルート。

坂を下ると「石の森」という名前がぴったりの光景が現れる。

ルートの途中には観光客に食べ物などを売る現地の子供たちが待っている。

 

高度な技術を駆使した古代の水路

   周遊コースを谷筋まで降りていくと、古代文明の人たちが作り上げた水路があります。全長9kmもあるというこの水路は、クンベ山の西側の水源から、東側に位置するカハマルカまで水を運ぶためのものだそうです。

 水の流れは非常に緩やかなのですが、これは山の傾斜を巧みに利用して高低差を少なくしたり、水路をジグザグに曲げたりして、流れをコントロールしているからだそうです。

 驚くのは、途中に巨岩があると、それを迂回せず、岩に穴を開けてまで水路を作っていることです。しかも、水流調節のため岩の中で水路を曲げるという高等技術も使っています。

 3000年近くも昔の人たちが、持てる技術を駆使して作ったものですから、凄いと思います。途中に古代人が岩に刻んだ絵もありますが、水路自体は見ていて面白いものではないですね。



「水路は続くよ、どこまでもー」といった感じ。

水路が岩にぶつかると、穴を開けて反対側につなげる。岩の中で水路を曲げることもある。

水路の途中にある線彫りの岩絵。手前に水が流れている。

 

スペイン人が暴いた古代人の墓 オトゥスコ

 もう一つのオトゥスコというのは、プレインカ(インカ以前)の人たちが作った墓の跡です。これも、古いものは紀元前1000年くらいまでさかのぼるようですが、基本的に岩に穴を開けただけの墓の跡ですから見て面白いというものではありません。

 カハマルカの北東7.5kmという近い場所にあり個人でも楽に行けます。ツアーの場合は、周囲にある釣り橋、チーズ工場、紫陽花の庭なども訪ねるコースになっています。

 実際に行って見ると、下の写真のように岩山に窓のような四角い穴がいくつも空けられています。2500年もの間、この地方の人たちが死者を葬る場所にしていたわけで、この地を征服したインカ帝国の人たちもその習慣を尊重したそうです。

 しかし、その後やってきたスペイン人たちは、墓を暴き中のものを取り出してしまったそうです。それには、中に価値あるものが入っているのではないかと考えたことと、地元の人たちの祖先信仰を否定する意味があったそうです。

 見るのはこれだけですから、ガイドは地元の子供たちに歌を歌わせて、ツアー客を盛り上げようとしていました。


岩に穴を開けて作った墓。墓穴は全部で337個あるそうだ。

かなり風化も進んでいる。

団地のような作り。一族の墓だろうか。

子供たちが歌を歌ってツアー客からチップをもらっていた。

 

雨でもツアーなら問題ない・・・?

 ツアーでは、カハマルカ周辺の吊り橋、チーズ工場などを回るのですが、この時期は雨季ですから雨が毎日降ります。

 雨の中で吊り橋を渡ったり、工場見学をしたりするのも風情があっていいですね・・・・。面白いのは紫陽花の庭で、ここの紫陽花は日本から来たものだそうですが、日本では見たことがないほど花が大きく成長しています。

 ツアーは値段が安いですし、それなりに楽しめました。


ツアー客が結構楽しんだ吊り橋と写真撮影用の馬。

 

線

 

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