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南米ペルー 遺跡巡りの旅:第7回 

インカ皇帝終焉の地 カハマルカ

 

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スペイン人が建設した美しいコロニアル都市

 暑く乾燥した海岸部の都市トルヒーヨを離れ、標高3700mの山中にあって涼しく雨が多い街カハマルカにやってきました。

 ここは、スペイン人がペルーに侵入したとき、時のインカ皇帝アタワルパが滞在していたインカ帝国の主要都市でした。高地民族であるインカ族は標高が高いところが好きなのです。

 スペイン人は、インカの壮麗な都市だったカハマルカを徹底的に破壊し尽くし、その後に自分たちの植民都市を築きました。山の上から街を見下ろすと、プラサ・デ・アルマスと呼ばれる中央広場を中心として、スペイン統治時代の古い建物が軒を連ねているのが見えます。


山上から見た街。中央左の緑がサンタ・アポロニアの丘、その先の四角い空間がプラサ・デ・アルマス。中央右よりの塔がサン・フランシスコ修道院、カテドラル(司教座聖堂)は丘に隠れて見えない。

 

タイムスリップ感覚で散歩できる街

 ペルーには首都リマをはじめ、スペイン人が築いたコロニアル都市がいくつもありますが、カハマルカの街路や建築物は、抜きん出た美しさと古い時代の雰囲気が保たれていると思います。

  街の規模や建築物の立派さではクスコには負けます。しかし、カハマルカの中心部は生活感にあふれた古い建築物群がよく保存されており、そこを歩くと古い時代にタイムスリップしたような感じを受けます。

 観光客もクスコほど多くないので、落着いて街中を散歩できますし、至る所で一般の人たちの暮らしを垣間見ることができるのも楽しいです。


プラサ・デ・アルマスに面したカテドラル。規模は小さいが雰囲気がいい建物だ。

カハマルカの中心部を貫く街路。スペイン風の建物が連なり、背後に山が迫っている。

夜の遊歩道。街灯の明かりが歩道を照らす。治安は比較的いいようだ。

 

インカの滅亡の始まり

   インカ帝国最後の皇帝アタワルパは、1532年に兄ワスカルとの戦いで勝利。8万人の兵を率いてクスコに上る途中、温泉療養のためにカハマルカに逗留していました。このとき配下の兵士168人を率いたスペイン人フランシスコ・ピサロはアタワルパと面会するのですが、奇襲攻撃をかけてアタワルパを捕らえてしまいます。

 スペイン人の残忍性を理解していなかったアタワルパは、ピサロに対し「自分を解放すれば、大量の金と銀を与えよう」と申し出たのです。これを伝えた部屋は「エル・クアルト・デル・レスカテ (El Cuarto del Rescate=救命の部屋)」と呼ばれ、現在も街の中心部に残されています。

 そして、大量の金銀財宝が集まったところで、ピサロはアタワルパを殺してしまったのです。インカ帝国の滅亡はここから始まったわけです。



皇帝アタワルパがスペイン人に対して「ここまで金銀を積み上げる」と示したという絵。

現在も残る「救命の部屋」。この時は改修中で入室できなかった。

街の背後にそびえるサンタ・アポロニアの丘。

丘の上には「インカの椅子(Silla del Inca)」と呼ばれる石がある。ここに座ったインカ皇帝が街を見下ろしていたのだろうか。

 

温泉好きだったインカ皇帝

 カハマルカの中心部からバスで15分ほどの所にあるのがインカ皇帝が愛用したという温泉「 バーニョス・デル・インカ(インカの温泉)」です。 現在は、温泉を利用したレジャー施設が作られており、温泉プール、個室風呂、サウナ、マッサージなどが利用できます。この中には、かつてインカ皇帝が温泉浴をしたという場所も残されています。

 休日ともなると大勢の人たちが温泉を楽しむために訪れ、チケット売り場には長い列ができます。個室風呂にゆったり入るのもいいのですが、狭い部屋で一人で風呂に入るのは気が進みません。そこで、温水プールに入ることにしました。

 この日は、たまたま天気がよく、気温も高かったのですが、ペルーの夏(12月〜2月)は雨季で、寒い日も多いのです。そんな時は温水は気持ちがいいと思います。久しぶりにのんびりとした温泉浴が楽しめました。


 
インカ皇帝が入ったという浴槽が建物の中にある「インカの大泉」。

綺麗で気持ちがいい温水プール。みんな泳ぐのに夢中。

温泉が湧き出している泉。源泉は70度以上あるそうだ。

 

名産品はチーズとヨーグルト

 カハマルカはチーズやヨーグルトの産地として有名です。ここで売っている飲むヨーグルトは絶品です。機会があれば是非お試しあれ。

 また、チーズの産地であるためピザもおいしいのです。街中には何件かピザ屋がありますが、庶民的なピザ屋でも店の中に薪で焼く釜を作ってあったりします。ちなみに「ピザ・カハマルケーニョ(カハマルカ風ピザ)」というのは、たっぷりのハムとパイナップルが乗ったもので、ハムの塩加減とパインの甘さが絶妙にマッチしています。


ハムとパインがたっぷりのったピザ・カハマルケーニョ。

 

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「第8回」に続く

 



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