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南米ペルー 遺跡巡りの旅:第4回

セロ・セチン遺跡

 

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セロ・セチン遺跡がある町カスマ

 バランカからバスで3時間ほど北上するとカスマという町に着きます。ペルーでは中規模の町ですが、落ち着いていて感じがいいところです。観光客が多いためか、ホテルやレストランも充実しています。

 この町の近くにあるのが、セロ・セチンです。マイナーな遺跡ですが、チャビン・デ・ワンタル遺跡と同じ、紀元前1700年ころ栄えた大変に古い都市ということで、考古学的にはかなり注目されているところのようです。

   町にはオートバイに客席をつけたモトタクシーがたくさん走っていて、町民の足となっています。このタクシーは近場が専門で遠距離は走らないのですが、セロ・セチンは町から車で10分ほどのところにありますので、なんとか行ってもらえます。


カスマの町。モトタクシーがたくさん走っている。

 

再現模型が展示された博物館から見学開始

  モトタクシーは、カスマの町を出て間もなく、幹線道路を離れて林の中に入っていきます。砂漠特有の埃っぽい道を数分行くと遺跡の入り口に着きました。

 そこにいた監視員らしき男たちが、「博物館で入場券を買え」と言います。言われたとおり、林の奥にある古びたコンクリート造りの博物館の建物で入場券を買うと、係員が「まず博物館を見て、その後遺跡に行け」と言います。

  博物館には下の写真のような説明図や遺跡のレプリカなどが展示されていますが、あまり見るべきものはありません。10分程度で博物館を見終わると、外に出て遺跡に向かいます。


セロ・セチンの見取り図。彫刻が施された石板で固められた外壁の中に神殿があり、その壁に魚などの彩色壁画が描かれていたことが示されている。

神殿の壁に描かれていた彩色壁画の再現模型。

 

石の丘に登って遺跡全体を見る

  林の中にある順路に従って歩くと、林を抜けたところに岩の丘(セロ)がそびえており、その前に遺跡がありました。昼下がりの太陽の日差しがキツく、見学順路は岩の丘を登って行くようになっています。それを見ただけで、ウンザリしました。

  しかし、しようがないので通路を伝い岩の丘を登ります。そんなに上には行かないのですが、暑さと、これまでの疲労の蓄積で、道の途中でへばりました。景色はいいのですが、まあ、これまで見慣れた緑と砂漠の組み合わせです。遺跡も、上から見ると工事現場にしか見えません。


遺跡の背後にある丘に登る階段。強い日差しを浴びて登るしかない。

丘の途中から見た遺跡。工事現場のようで、何だかよくわからない。

 

線彫りの壁画が描かれた岩壁

 丘を下ると、遺跡の正面に回ることができます。セロ・セチンの特徴は神殿を取り囲む壁面に表面を平に加工した大きな石を並べ、そこに線彫りで兵士 や踊る人、頭だけの顔などを描いていることです。

 古い時代の作だけに、非常にプリミティブな絵ですが、ちょっとユーモラスで味があります。メキシコのモンテアルバンにも同じような人間などを描いた線彫りがありますが、感じがかなり似ています。ただ、こういう素朴な絵は似ていてもそれほど不思議はない気がします。

 ペルーの古代文明はアドベ(日干しレンガ)を使ってピラミッドなどを作ることが多く、セロ・セチンもアドベでピラミッドを作っています。しかし、石を組み合わせて壁を作っているところは、チャビン、カラルなどの古い巨石文明に通じます。インカの石組みのような完成度はありませんが、南米巨石文明の源流の一つと考えると興味深いものがあります。

 

セロ・セチンの外壁は人の顔や戦士などが描かれた石で作られている。

セロ・セチンの中央部。内部の神殿への入り口と階段が残されている。

外壁に彫刻された戦士と人の顔。戦争で敵の首をたくさん切り取ったことを示しているのかも。

 

砂漠の乾燥と暑さには注意

 時代の古さからしても興味深い遺跡ではありますが、見どころは外壁の彫刻くらいですから、それほど見応えはありません。しかも、砂漠地帯で乾燥していてすごく暑いですから、見学はかなり疲れます。

 また、遺跡にはタクシーは来ませんので、車をチャーターして行かないと帰りが困ってしまいます。私の場合は、道路にちょうどモトタクシーが停まっていて、事情を話すとその運転手が無料で街まで送ってくれました。こういう親切な人に出会えるのも旅の楽しみですが、いつもそううまくは行かないのが現実です。

線

 

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「第5回」に続く

 



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