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南米ペルー 遺跡巡りの旅:第13回

秘境の名瀑 ゴクタの滝

 

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世界第3位?の落差を誇るゴクタの滝へ

 チャチャポヤスの二日目。

 ツアー会社の人に「ゴクタの滝は世界第3位の滝だから、絶対行ったほうがいい」と勧められました。しかし、往復5時間も歩かなくてはならないと聞き、雨も振りそうだったため、かなり迷いましたが、他にやることもないので行くことにしました。

 ツアーは、私以外すべてペルー人。10人乗りのバンが走る道の周囲にはクエラップへの道に劣らず壮大な山岳風景が広がっています。どことなく、エンジェル・フォールズがあるギアナ高地に似た感じの山が多いのです。

 ところで、ゴクタの滝が落差771mで世界第3位だと発表したのはナショナル・ジオグラフィックで、2006年3月のことだそうです。発見者は、ドイツ人のステファン・ジーメンドルフという探検家です。

 現地の人は、昔からこの滝を知っていたそうですが、滝周辺に大蛇が棲むという伝説があったため、近づく人はほとんどいなかったということです。

 私はガイドに「ゴクタが世界3位なら、2位はどこにあるの?」と聞きました。すると、「南アフリカにあるそうだが、よく知らない」と言います。後で調べてみると、実はゴクタが世界3位とは、今では言えなくなっています。

 元々、滝の大きさというのは単純に決められないのです。世界一の落差を誇るエンジェル・フォールズは約1000mを一気に落ちるフリー・フォールですから、文句のつけようがありません。しかし、そんな滝はあまりありません。世界2位という南アフリカのトゥゲラ・フォールズは、落差は948mありますが、5段に分かれていて、岩壁を水が滑り落ちる部分もあります。

 参考までに、World Waterfall Databaseという資料を見ると、「500フィート以上のフリー・フォーリングで滝の角度は問わない」という部門では、南アのトゥゲラ・フォールズが2位で、ペルーのトレス・エルマーナスが3位、ゴクタは15位になっています。トレス・エルマーナス(三姉妹)も名前の通り3段の滝です。

 一方、「500フィート以上のフリー・フォーリングで、85度以上の角度で落ちる滝」部門では、ゴクタの滝は5位になっており、トゥゲラやトレス・エルマーナスは上位に入っていません。

 だだ、滝は大きければいいわけではありません。私は、「ゴクタの滝は落差が大きいだけでなく、きっと美しい滝だろう」と期待していました。


ゴクタの滝への入り口付近。周囲の山々は切り立った岩壁を持つものが多い。

 

優美な滝の姿を見ながら歩くコース

 5歳ぐらい女の子を含むペルー人8人と私は、ガイドに先導されてゴクタの滝に向かいました。「女の子は大丈夫か?」と思ったのですが、途中までは馬に乗って行けるということでした。

  大学で自然保護を学んでいるというペルー人の学生二人も同行し、自然保護などの話をしながら歩いて行きます。ガイドが、以前の道はアップダウンがきつく結構大変だったが、新しい道ができてかなり楽になったと説明してくれました。

 その言葉どおり、途中で大変な坂も少しあるのですが、大半はなだらかな坂道になっています。そのため、歩くのに苦労するほどではなく、これなら不安だった膝も大丈夫という感じでした。

 峠を越えるたびに、ゴクタの滝が近づいてきます。二段に分かれ、ほぼ垂直に落ちる滝の姿は優美です。原生林に覆われた周辺の景色も素晴らしく、疲れもあまり感じませんでした。


ゴクタの滝に通じる道。中央の建物で入山の手続きをする。

最初の峠から見た滝。結構遠くに感じて、少し不安になる。

山道は時々険しくなるが、山登りのようなきつさはない。

 

鬱蒼とした原生林の中を歩く

 滝に近づくと、鬱蒼とした原生林の中を歩く道になります。雨に濡れた石ころだらけの道は歩きにくく、年配の女性は滑って転ばないように、かなり慎重に進んでいました。

 このため、密林に咲く綺麗な蘭の花を眺めたりする時間的余裕があり、結構楽しめました。

 2時間ほどで、飲み物などを売っている休憩所に到着。そこで一休みしてから先に進みます。

 そこから滝までは30分ほどの距離です。「馬はここまで」と言われ、女の子も母親に手を引かれて歩き出しました。


切り立った山肌も原生林に覆われている。

林の中を続く道をみんな並んで歩く。

いよいよ滝が近づいてきた。この位置から見た滝が一番綺麗だった。

 

500mを超える迫力あるフリー・フォール

 いよいよ滝に近づくと、周囲の森はコケだらけになりました。地面だけでなく樹木の枝もコケで覆われています。霧となった滝の水が常に降り注いでいるからでしょう。霧雨の中を先に進むと、突然、視界が開け、正面に迫力ある滝が姿を現しました。

 ここまで滝に近づくと、2段に分かれた滝の1段目はほとんど見えません。ゴクタの滝は、上段が231m、下段が540mありますので、ここでは500mを超える迫力あるフリー・フォールを下から眺めることになります。

 地形のせいか風が非常に強く、水は500mの距離を落ちる間に、その多くが周囲に舞い散ります。このため、滝壺の淵の周辺では、常にかなりの雨が降っているような状態です。みんなで滝壺に下り、濡れながら流れ落ちる水と垂直の岩壁の迫力を楽しみました。


滝の近くでは、樹木もコケに覆われている。

540mの落差がある下段の滝。

滝壺になだれ落ちる水。

滝壺は意外に小さい。

滝壺から見上げると垂直に切り立った岩壁に圧倒される。

滝壺の水は、川になって山々の間を流れていく。

 

雨に降られた帰り道

 滝壺近くで休んでいると、突然雷が鳴り出しました。ガイドが、「雨が降りそうだから帰ろう」と言うので、みんな急いで帰路に着きました。

 しかし、5分もしないうちに雨が降り出しました。霧状の滝の水とは違い、大粒の雨が身体を叩きます。

 私と女性たちは所持していたカッパを着ましたが、男たちはほとんど雨具を持っていません。帰りの道も2時間半以上かかるのですから、みんなあきらめたように濡れながら泥道を歩きます。

 結局、雨が上がったのは1時間半ほどしてからでした。周囲の山を見ると、行きにはなかった大きな滝が数本流れ落ちていて驚きました。山の上ではかなりの雨が降ったのでしょう。

 多くの人が、ずぶ濡れ、泥だらけになった、大変なツアーでしたが、滝は思った以上に素晴らしく、苦労して行った価値はありました。乾季に行けば雨に降られることはないのですが、水量が少ないため滝の迫力がなくなってしまうということです。

 やはり、雨が降っても水量豊富な雨季がいいと思います。


雨上がりのゴクタの滝は湧き出す雲に包まれていた。

村に着いて食堂で食べた遅いランチ。揚げ鱒のフライドポテト添え

 

線

 

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