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南米ペルー 遺跡巡りの旅:第11回

チャパリ自然保護区

 

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ペルーで最初の共同体自然保護区

 今回は遺跡ではなく、自然保護区を訪ねます。

 チクラヨから東に車で約1時間半ほどのところにチョンゴヤペという小さな町があります。ここから北に少し入ったところにあるのが「チャパリ共同体自然保護区」です。

 共同体保護区というのは聞きなれない名前だと思います。一般的に保護区に指定されるのは、国や地方政府が管理する土地が多いのですが、これは地域住民による共同体が管理する私有地を自然保護区に指定したものです。

 チャパリは、ペルーで初めて指定された共同体保護区です。ここを管理するのは、代々この土地で生きてきたチョンゴヤペの人々で、保護区の管理やガイドの活動も住民が分担して行っています。

 保護区に入るには、住民のガイドが同行しなくてはなりません。私が参加したツアーでは、まず、チョンゴヤペの町で地元のガイドをピックアップし、昼食や水などを売店で購入してから保護区に入りました。


チャパリ共同体自然保護区の中心部にあるビジターセンターの入り口。

 

先住民の宗教儀式の場も再現

 この地域はドライ・フォレストと呼ばれる乾燥林が広がっています。シカン文化のワカがあるポマックの森と同じアルガロボの木々が生い茂っていますが、ポマックよりはるかに広大で、峻険な岩山を含む森の中には様々な動物や鳥が生息しています。

 かつて、ここにも先住民が暮らしており、独自の文化を持っていたそうです。ビジターセンターなどの建物は先住民の家をモデルにしたデザインになっていますし、先住民の宗教儀式の場を再現した展示もあります。


ビジターセンターの屋根に置かれた動物の骨。乾燥地帯という感じが出ている。

ビジターセンターの建物は先住民の住居をモデルにしている。

先住民の生活に欠かせないシャーマニズムの儀式の場。

 

南米最大の動物メガネグマと遭遇

   チャパリ共同体自然保護区の魅力は、この地方特有の鳥と動物が数多く見れることです。特にクマやピューマといった大型の哺乳類が生息しているのがすごいです。

 とはいっても、自然の動物が都合よく人間の前に現れることはまずないでしょう。現れたら逆に危ないですから、この保護区を有名にしたメガネグマを見たいと思いながらも、無理だろうなという気持ちでいました。

 しかし、ガイドは「見れない」とは言わず、どんどん森の中を歩いていきます。鳥はたくさんいて、インコや野生の七面鳥がしばしば姿を現しました。

 そのうち、ガイドが森の中を指差して「メガネグマだ!」と言うのです。見ると、緑の葉が茂った大きな木があり、その枝に登って動いている黒い動物がいます。私たちはちょっと驚きました。するとガイドが「大丈夫だ保護している奴だから」というのです。

 「なあーんだ」という感じで近づくと、大きなマンゴの木から体長2m程度のメガネグマが降りてきました。周囲には柵があり、メガネグマは物欲しそうに私たちを見ています。するとガイドがマンゴの木から実を取ってクマに与えました。ガイドの話では、山の中で怪我をしたクマを保護して育てているそうです。ちなみに、メガネグマはペルーの環境破壊などで数が非常に減っているそうです。

 こうした野生動物の保護活動は共同体住民の重要な仕事で、保護区内には泊りがけで監視活動をする人もいます。大変な仕事ですが、こうした住民の努力によって保護区が注目され、観光客が増えてきたことで、住民の収入が増え、生活もよくなっているということです。


マンゴの木に登ったメガネグマ。

顔の模様が眼鏡を掛けているように見えるためメガネグマと呼ばれる。

保護区内にはリャマも棲んでいる。

 

思いの他、楽しい、ドライ・フォレストの散策

 保護区内にはクマやリャマなどの大型哺乳類のほか、毒蛇、タランチュラ、キツネなど、様々な動物が生息しています。

 毒蛇は危ないので出くわすと大変ですが、周遊ルート内にある地域の爬虫類を集めて展示している場所で見ることができます。

 ビジターセンターには保護された子狐がいて、インコと遊んだり訪問客の後に付いて歩いたりしていました。

 珍しいドライ・フォレストの中を1時間ほど歩き、そこに住む様々な動物に出会えたこのツアーは、思いの他、楽しかったです。


鮮やかなグリーンが森に映えるインコ。

野生の七面鳥は良く飛ぶ。

猛毒を持つ蛇。こんなのに出くわしたら大変だ。

途中でガイドが手に乗せたタランチュラ。もちろんすぐに逃がした。

センターに子狐がいてインコの子供と遊んでいた。

 

最高に美しい自然はティナホネス

 ツアーの運転手は保護区だけでなく、周辺の面白そうな場所も紹介してくれました。

 この地方の主力農産物であるサトウキビの刈り取りの様子や農業用水を溜めるダムなどを見学しましたが、最高に美しい自然に出会えたのは、チャパリの近くにある「レプレサ・ティナホネス」という水源でした。


奥にチャパリ自然保護区の山が見える。水鳥が遊ぶ美しい水源ティナホネス。

 

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「第12回」に続く

 



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