パチャカマック (リマ〜インカ)  ペルー

ペルー国旗

大地の創造者を祀る複合神殿群

 他の建築物より一段高い場所に作られた巨大ピラミッド「太陽の神殿」。
   パチャカマックというのはケチュア語で「大地の創造者」という意味で、この地を征服したインカがずっと昔からあった大規模宗教施設につけた名前だ。

 この宗教施設の起源は、西暦200年ころまで遡り、この地に栄えたリマ文化、ワリ文化、イチマ文化などを通して伝統は継承されてきた。それを、インカも受け継いで存続させたが、次にやって来たスペイン人によって破壊され、砂漠に埋もれてしまった。

 長い間、様々な文化・文明によって継承されてきた神殿群だけに、遺跡内にはそれぞれの時代に作られた建築物が存在する。

 最も古いリマ文化の時代にはTemplo Viejo(古い神殿)などが作られ、次のワリ文化の時代にはパチャカマック信仰の中心施設とみられるTemplo Pintado(彩色された神殿)など、イチマ文化の時代には、Piramide con Rampa(傾斜路のあるピラミッド)などが作られている。

 そして、最後のインカはパチャカマック信仰を容認する代わりに、神殿都市全体を見渡す丘の上に自分たちの神を祀るTemplo del Sol(太陽の神殿)を作り、住民が拝むようにさせたのだ。  都市遺構のほとんどが砂に埋もれ、崩れてしまっている現在でも、太陽の神殿はその原型をとどめ、丘の上で辺りを威圧するような姿を見せている。

 

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 パチャカマックの入り口。この先に博物館や売店があり、庭にはリャマも飼われている。

 遺跡内の周遊道路。基本的に自動車で巡るようになっており、歩いている人はほとんどいない。正面奥の丘が太陽の神殿。

  Acllawasi(アクリャワシ)と呼ばれる「聖なる乙女の館」。インカ時代の建物で、ここは神に仕える女性たちが住み、インカの神にささげる酒や食べ物を作ったり織物を織ったりしていたそうだ。


 ピラミッドや住居跡などが固まっている遺跡の中央部。アドベ(日干しレンガ)作りの建築物があちらこちらに顔を出しているが、ほとんど崩れた状態にあるため、どうなっているのかよくわからない。


 イチマ文化の時代に作られたPiramide con Rampa No1(傾斜路のあるピラミッド1号)。その名の通りピラミッド型の建物に上るための傾斜路が付けられている。


 ピラミッドの横を神殿都市を南北に縦断する道路。長さ332m、幅4.2〜2mのこの道にはアドベ作りの高い壁が設けられており、こうした道が都市を四つの地域に分割する形で作られていた。


 Piramide con Rampa No2(傾斜路のあるピラミッド2号)の上で手を挙げている監視員。遺跡に近づいて写真を撮ろうとすると、この監視員が「ピーッ」と笛を吹いた。

 パチャカマックで最も古い時代に作られたTemplo Viejo(古い神殿)。ただの泥の山のようだが、よく見ると山腹にたくさんのアドベが積まれているのが分かる。

 赤などで彩色されたり、魚、鳥などが描かれた壁が見つかりTemplo Pintado(彩色された神殿)と名付けられた建築物。壁面を風雨から守るために、建物の一部には屋根や囲いが設けられているが、今は近付いてその壁を見ることはできない。また、ここからはパチャカマック神の木像が発見されており、この神殿がパチャカマック信仰の中心と考えられる。

 重要な部分には屋根が掛けられているが、階段の壁面にも赤色が残っている。

 Templo Pintadoの全体図

 太陽の神殿の正面。要塞風の壁に狭い入り口が作られている。

 神殿の入り口。ここは通行止めで、右側を回って遺跡の上に登る。

 太陽の神殿の北面。壁は赤色に塗られていたそうで、赤い塗料が残っている。

 太陽の神殿の上からは太平洋が一望できる。ペルー沖では冷たいフンボルト海流と暖流がぶつかり霧が発生する。このため、海を見ると先が白い霧で霞んでいて、その霧が風に乗って陸地に向けて押し寄せてきている

 北側には砂漠が広がっている。砂に埋もれた遺跡の先にまで広がる砂の海に飲み込まれそうな感じで、灰色の町が姿を見せている。SF映画にでも出てきそうな光景だ。

 

 

パチャカマックの訪問レポートはこちら

第21回 パチャカマ

 

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評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。


 規模が大きく見応えがある遺跡。特に太陽の神殿は素晴らしい。もう少し、発掘や修復が進み、古い時代の建築物や彩色壁画などが復元されると、一般の人にとっても魅力的な遺跡になると思う。

  アクセスはバスは旅慣れた人でないと難しいので、タクシーかツアーを利用したほうがいいだろう。お薦めは、リマ市内の観光地を巡る2階建て観光バス「Mirabus」のパチャカマック神殿ツアー。

 周辺施設は、出土品を展示した博物館、レストラン、売店、休憩所が過不足なくそろっている。

 評価項目  評価
 遺跡 ★★★
 周囲の環境 ★★★
 アクセス ★★★
 周辺施設 ★★★
 お薦め度 ★★★

 

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上記地図上のFがパチャカマック。
リマの中心部からルリン行の路線バスが通っている。所要1時間半〜2時間。数人で行くならタクシーがお薦め。市内から30〜40分で着くが、時間によっては渋滞に注意が必要。
観光バス「Mirabus」のパチャカマックツアーだと一人3000円程度だ。


 

 



ラテンアメリカ博物館
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