モンテ・アルバン

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メキシコ中部 遺跡巡りの旅:第9回

世界遺産 モンテ・アルバン

 

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規模が大きく観光客に人気の遺跡

オアハカを代表する遺跡と言えば世界遺産にも登録されているモンテ・アルバンでしょう。オアハカ市街から車で30分程度で行けることと、規模が大きく、周囲の景色も美しいことから、観光客に人気のスポットです。   

 ここに行くには、ソカロ広場の南にある市場近くから出ている観光客用の往復バスを利用すると便利です。通常1時間に1本出ており、ツアーを使うより安いです。帰りも、1時間に1本の割合で遺跡を出発しますから、遺跡見学の時間を自分で調整できるのが便利です。

 モンテ・アルバンは、標高1500mほどのオアハカ盆地にある高さ400mほどの丘の上に築かれたサポテカ文化の遺跡です。かつてこの地方に住んでいたサポテカ族によって紀元前500年ころから建設が始まり、西暦800年ころまで栄えたとされます。その後、サポテカは衰退しますが、代わってこの地方を支配下に置いたミシュテカ族が引き継いで居住していたということです。

 

南の基壇から北の基壇方向を見たところ。


オアハカ盆地を睥睨する天空の城

遺跡の中心部は、グラン・プラサと呼ばれる大きな広場を中心とし、その周囲に神殿などの建築物がいくつも並んでいます。ピラミッド型神殿の基台部分が並ぶ様はテオティワカンを彷彿とさせます。実際、モンテ・アルバンでは、テオティワカンとの交流によりテオティワカン様式の神殿を建設したり、テオティワカンからの使者を彫刻した石碑が作られたりしました。テオティワカンほど規模が大きくないため、ピラミッドの基台の上に立つとほぼ全体を眺めることができます。

 また、神殿の上に立って見ると、遺跡がある山を取り囲む取り囲む広大なオアハカ盆地を一望できます。他部族の侵入や攻撃に備えて、防御しやすい山の上に都市が築かれるケースは多いのですが、このように、まるで空の上に浮かんでいるような感じの遺跡は多くありません。その意味では、マチュピチュと比べても遜色ないと思います。

 個別の建築物を見ても、ピラミッド型神殿や天文台、球戯場などのバラエティに富んだ建造物がある他、ダンサンテ(踊る人)と呼ばれる、人間の姿を描いた石板のレリーフなどもあってなかなか面白いです。


ピラミッド型神殿が並んでいるグラン・プラザの西側。その後ろにはオアハカ盆地が見える。

メソ・アメリカの古代文明の遺跡にはつきものの球戯場。

星の動きなどを見ていたという天体観測所。

人が踊っているような彫刻が施された石版。

遺跡見学は暑くて疲れる

モンテ・アルバン見学の問題は、山の上で太陽の光を遮るものがほとんどない場所ですから、暑くてのどが渇くし、疲れることです。その点でもテオティワカンと同じです。

 私は、北の大基壇東側の入り口から南の基壇に向かい、西側の遺跡群を巡って北の大基壇へと、遺跡を時計回りに巡りました。わずかな木陰を見つけては休憩しながらの見学でしたが、いくつもの同じような神殿を見ていると、暑さと疲れで動くのが面倒臭くなってきます。北の大基壇の複合神殿を見終わると、見学もほぼ終わりでホッとしたのですが、この時、発掘された王の墓があることを思い出しました。


モンテ・アルバンで最も古い時代に属する石碑。天体観測に用いられたと考えられている。

北の基壇上にある「沈んだ広場」。

北の基壇上から南の基壇方向を望む。

墓には何もなかったけど・・・

遺跡の中には墓がいくつかあるのですが、案内板を見ると、そこから少し離れた場所に103、104号墳墓がありました。特に104号墳墓は、メキシコシティの人類学博物館に再現模型がありますが、非常にきれいで印象的でした。

  そこまでは少し遠いのですが、せっかく来たのだからと、炎天下を10分ほど歩いて行ってみました。この辺まで来る観光客はほとんどおらず、乾燥した山の中に灌木の林が続いています。

  辿り着いた墳墓は発掘後埋め戻されたのでしょう、こじんまりした建物の跡と地下への空気穴らしき設備が設けられているだけで、何にもありません。それでも、すごく静かな乾燥林に囲まれた場所で、木陰で休んでいると、涼やかな風が火照った肌に心地よく感じました。人がいない自然というのは落ち着きます。見るべきものはあまりありませんでしたが、古の時代の息吹に触れたような感じがして、そこまで行ってよかったと思いました。

 全体的に見て、モンテ・アルバンはマヤの主要な遺跡のように見所が豊富ではありません。ただ、周囲の風景を含めた全体的な景色が素晴らしく、そこに立つと古代の人々の生活が想像できるいい遺跡だと思います。

 

北の基壇から見た墳墓。

104号墳墓。

人類学博物館の104号墳墓展示(左)と7号墳墓から出土した銀製の装飾品(右)。



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「第10回」に続く

 



 
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