プエルト・エスコンディード

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メキシコ中部 遺跡巡りの旅:第8回

古都 オアハカ

 

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メキシコを代表するコロニアル都市オアハカ

オアハカは、スペイン植民地時代の古い町並みが残るメキシコ東部の主要都市です。コロニアル様式の古い町並みが保存されている街は、メキシコには数多くありますが、オアハカの街並みは規模と美しさで群を抜いていると言えるでしょう。また、オアハカ周辺はメキシコの古代史においても、ミシュテカ、サポテカといった独特の文明が栄えた重要な地域なのです。   

 オアハカまではメキシコシティからだと長距離バスで約8時間かかります。私は、太平洋岸のプエルト・エスコンディードから移動しましたが12時間かかりました。地図で見るとそんなにかかるとは思えないのですが、1等バスは、直線の山越えの道ではなく、東側の幹線道路を迂回するため時間がかるのです。

 オアハカのターミナルに着いたのは夕方7時ころでした。ここから、街の中心部までは少し距離があるので、市内循環バスで行くことにしました。しかし、帰宅中の市民でバスは満員。大きな荷物を抱えた私は身動きが取れず、降りる場所を確認できません。また、すでに陽が落ちてしまい外は真っ暗です。仕方なく、隣にいた青年に「ソカロの近くで降りたいんだけど・・・」と言うと、「ああ、教えてやるからちょっと待って」と気軽に応じてくれます。このようにメキシコ人の多くが親切で助かります。

 バスから降りたのは中央広場であるソカロの南側数ブロックで、市場の近くでした。この周辺には安宿が多く、すぐに部屋が取れました。後からわかったのは、街の北に位置するバスターミナルとソカロは2km弱離れているのですが、その間には中級のホテルが多いということです。それが分かっていれば、無理してバスに乗らなくても良かったわけです。  

夜のオアハカの中心街。


公園のテラス席で至福の時を過ごす

オアハカは、人口50万人以上を有する、メキシコでは中規模の街です。中心部は歩いて十分に回れる程度で、コンパクトにまとまっています。中央公園になるソカロは樹木が生い茂り、木陰のベンチで休みながらアイスクリームなどを食べることもできます。周囲にはオープンテラスのレストランが並び、コーヒーやビールを飲む人の姿が一日中絶えません。巨大都市メキシコシティでは考えられない、のんびりした光景です。

 ソカロ周辺の平日の昼は観光客が少なく、回廊のテラス席にも空きが多いため、大勢の人で賑わう休日と比べるとかなり落ち着いています。日中の強い日差しを避け、パラソルの下のテラス席で涼やかな風邪を感じながらビールなど飲んでいると至福の気分です。また、周辺のレストランにはランチを出す店があり、料金もスープ、メイン、デザート、ドリンク込みで500円以下とリーズナブルです。

 私は公園に面した店のテラス席に座り、メインが肉団子料理のランチを頼みました。味はそこそこでしたが、食事の最中に向かいに流しのマリンバ奏者が来て、音楽の演奏をしてくれました。それが商売ですからお金を要求されるのですが、わずかなチップで優雅な時間を過ごすことができるのは嬉しいです。


ソカロ広場の夜。

公園に面したレストランのテラス席でランチ。メインの肉団子。右のドリンクはオルチャタ。

観光の中心はアルカラ通り

オアハカは観光の街だけあって、洗練された美術品や民芸品を売る店が多いのです。その中心になっているのはソカロとサント・ドミンゴ教会を結ぶ遊歩道になっているアルカラ通りです。ここには、土産物屋、レストラン、ホテルなどが並んでおり、いつも大勢の観光客で賑わっています。さらに、夜になると歩道に手作りの民芸品を並べて売る人が大勢現れます。洒落たレストランやコーヒー屋も数軒あり、散歩の後でビールやコーヒーを飲みながら休憩するのにも適しています。

 通りの北に位置するサント・ドミンゴ教会は、ウルトラバロックとも称される内部の装飾の美しさで有名ですが、隣接する旧修道院の建物を利用したオアハカ地方博物館が見所になっています。ここには、オアハカ近郊の遺跡モンテ・アルバンの出土品が展示されているのですが、修道院の回廊からはサボテンが生えたメキシコらしい景色なども望むことができます。


夜のアルカラ通り。物売りが店を広げている。

博物館から見たサント・ドミンゴ教会。

ウルトラバロックと呼ばれる教会内部の装飾。

回廊からはメキシコの美しい自然が眺められる。

オアハカはグルメ・シティだけど・・・

オアハカはグルメ・シティとしても知られていますが、特に有名な食材はオアハカチーズです。その特徴は、裂けて、溶けることです。日本にも裂けるチーズがありますが、このルーツということです。長く太いひも状になっていて、チーズ屋で切り売りしています。味は淡白ですが、塩味が効いていて、そのままビールのつまみに最適です。しかし、最も美味しいのは、チーズをトルティーヤに乗せて焼いて食べることでしょう。とろとろに溶けたチーズのミルキーな風味と焼けたトルティーヤの香ばしさがマッチした素晴らしい味が楽しめます。

 オアハカでは普通のトルティーヤの数倍ある大きなトルティーヤに、豆を煮たフリホーレスやズッキーニの花、肉などを乗せ、たっぷりのオアハカチーズを加えたトラジューダも名物です。レストランでも屋台でも売られていますが、オアハカ以外では食べることが難しいので、見つけたらぜひ食べてみることをお勧めします。

 ところで、プエルト・エスコンディードで食べたモレ・ネグロもオアハカの郷土料理です。本場のモレ・ネグロをぜひ食べたいと思った私は、サント・ドミンゴ教会近くにある評判のいい郷土料理の店に出かけました。価格は190ペソ(1500円くらい)とかなり高かったのですが、美味しければいいと思い注文しました。この店のモレ・ネグロは、真っ黒なソースの上に黄色いズッキーニの花が添えられていました。

 ちょっと洒落た感じですが、問題は味です。チキンと共にモレソースを口に入れると、プエルト・エスコンディードで食べたスパイシーで深いコクのある味はまったくしません。まずくはないのですが、味に締まりがなく美味しいとも言いにくい、微妙な味です。このソースを作るには様々な食材が必要で、かなり難しい料理だとは聞いていましたが、味がこれでは価格には全く見合わないと思いました。

 期待が高かっただけに失望感が強く、食事を終えるとすぐコーヒー屋に移動して、美味しいエスプレッソを楽しみました。

 

ひっそりとした住宅街にある郷土料理店。

これまでで最も値段が高かった料理モレ・ネグロ。

ゆったりとしたスペースのコーヒー屋でカフェラテを楽しむ。

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「第9回」に続く

 



 
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