メキシコ

PR

 

メキシコ中部 遺跡巡りの旅:第3回

ボナンパク 遺跡

 

前回に戻る 次回へ進む

 



人気がある ヤシュチラン・ボナンパクツアー

パレンケはマヤ文明の中でも西端に位置し、この東側には数多くのマヤの古代都市が存在しています。その中で、有名な遺跡にもかかわらず、グアテマラ国境近くの密林に位置するため、アクセスが難しくてなかなか行けなかったのが、ヤシュチラとボナンパクの二つの遺跡です。 20年前、この二つの遺跡に行きたくて、パレンケでツアーを探したのですが「人数が集まらないと行けない」と旅行社で断られました。しかし最近は、「パレンケよりもっと神秘的な遺跡に行きたい」という人が増え、毎日ツアーが催行されるようになっています。

 パレンケの街中にあるツアー会社ではどこでもヤシュチラン・ボナンパクツアーを扱っています。内容は似たり寄ったりですが、料金が微妙に違うので、何軒か話を聞いてツアーへの参加を決めました。私が申し込んだ会社は1日ツアーで600ペソ(5000円弱)。これには、朝食、夕食、遺跡入場料、遺跡までのボート代が含まれます。遺跡巡りに必要な経費が全て込みということです。

 ツアーは、朝6時ころホテルに迎えが来ます。車はミニバンで、参加者は西欧人を中心に13人。車内は満員状態です。途中、ツアー専用レストランで朝食をとるのですが、私たちが到着した時には、同じようなツアーの車がすでに2台停まっていました。朝食のメニューは、スクランブルドエッグ、チャーハン、パン、果物、ジュース、コーヒーといった感じで、悪くないです。  そこから2時間くらいで、最初の訪問地ボナンパク遺跡に到着です。この遺跡は規模が小さいため、見学は1時間と決められていました。

ツアーで朝食を食べた専用レストラン。

ボナンパク遺跡の入り口。

 

複雑な建築物アクロポリスが残る

ボナンパクは4世紀から8世紀にかけて栄えたということですから、パレンケとほぼ同時代のマヤの都市です。規模はあまり大きくないのですが、神殿の内部に残された彩色壁画が発見され、マヤの研究者たちを驚かせました。その絵の保存状態がよかっただけでなく、絵の内容が、それまでの「マヤ文明の人々は戦争を好まず平和に暮らしていた」という定説を覆すものだったからです。

 遺跡入り口の林の中を歩くと、間もなく周囲を低い建造物に囲まれたグラン・プラサ(大広場)に出ます。100m四方ほどの広場の中央付近には高さ5mちょっとある大きな石碑1(Estela1)が立っており、南側にアクロポリスと呼ばれる複合建築物があります。

 アクロポリスはマヤの都市の多くに見られる複数の神殿などが集まった複合建築物です。単一のピラミッド神殿とは異なり、大きな神殿の途中に複数の神殿を配したり、その上に小さなピラミッド神殿をいくつも載せるような、複雑な形をしたものが多いのです。ボナンパクのアクロポリスも、西側に壁画の神殿があり、東側斜面の途中にも小さな神殿があります。そして、上部には6つ(Estructura 4〜9)の独立した小さな部屋を持つ建物が並んでいます。

 

アクロポリス全景。右の屋根がある建物が壁画の神殿。

Estela1の表面に彫刻された王の像。
アクロポリス上部に並ぶ建築物。

 

マヤの儀式や戦争が描かれた彩色壁画

この遺跡のハイライトである壁画の神殿内部に入ってみました。建物は幅17m、高さ5mの長方形をしており、3つの部屋が並んでいます。元々は、神殿全体が漆喰彫刻で飾られていたようで、建物の上部には崩れた人物の彫像が置かれています。内部に入ると、幅4.5m、置奥行き2.5mほどの部屋の壁や天井部など全面に、はっきりと人物や色使いが分かる美しい絵が描かれています。

  第1の部屋に描かれているのは、王権の継承に関する儀式のようで、神官や貴族たちが居並び、着飾った人たちや、音楽を演奏する人たちが行列している様子が生き生きと描かれています。 第2の部屋は、戦争の場面と捕らえた敵を前にした王の姿などが描かれており、第3の部屋では、生贄や犠牲の儀式をテーマにした絵が描かれています。

 実際の絵はそれほど明瞭ではないし、当時の風習なども理解しないと、何の絵なのかよく分からないのですが、じっくり見るとある程度は理解できます。湿度が高い密林の中で長い時間を経過した絵はかなり劣化していたはずですが、最新の技術を使った復元作業によってこれだけ明瞭に再現できたそうです。しかし、復元作業はまだ終わったわけではなく、さらに元の絵に近づけるための作業がまだ続いているようです。いずれにしろ、これだけ美しく保存された壁画は他のマヤ遺跡では見れませんから、ここに来る価値は大きいと思います。

壁画の神殿の外観。上部に漆喰彫刻の一部が残っている。

第1の部屋の内部。着飾った人物が並んでいる。

第2の部屋の内部。戦争に関する絵が描かれている。

第3の部屋の内部。生贄の儀式らしい絵が描かれている。

   次はヤシュチラン遺跡に向かいます。

線

 

「第2回」に戻る

 

「第4回」に続く

 



 
ラテンアメリカ博物館
Copyright 2017, K.Norizuki.all rights reserved