クイクイルコ遺跡

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メキシコ中部 遺跡巡りの旅:第18回

クイクイルコ/国立人類学博物館

 

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キシコ中央高原で最も古い都市

 メキシコ遺跡巡りの旅、最後の訪問地はメキシコシティ南部に位置するクイクイルコ遺跡です。

 クイクイルコは、メキシコ中央高原で最も古いとされる都市で、年代的には、先古典期にあたる紀元前800年ころから人々の定住と都市化が始まったとされます。ところが、紀元後150年ころに近くにあるシトレ(Xitle)火山が噴火。このため都市は溶岩流に覆われ、人々はここを放棄してしまいました。

 遺跡の場所は、国立自治大学の広大な敷地の南にあたり、メトロバス1号線のVilla Olmpicaが最寄り駅になります。メトロバスのこの路線はかなり混むため、シティの中心部から約40分ほど立ちっぱなしでバスに揺られなくてはなりません。少しきついですね。駅からは歩いて5分程度で遺跡の入り口に着きます。私が訪ねた日は、天気が抜群に良く、気温もかなり高い状態でした。

 遺跡の入り口から中心にあるピラミッドまで、さらに5分ほど歩くのですが、サボテンと灌木に覆われた広い土地を切り裂くように道が続きます。周囲の自然景観はなかなかよく、遺跡に興味がなくても、ここを散歩するだけで楽しめそうです。

 やがて、前方に小山のようなものが見えてきます。これがクイクイルコ独特の円形ピラミッドです。

クイクイルコの円形ピラミッド

直径110m、高さ25mの円形ピラミッド

  ピラミッドは、直径110m、高さ25mで、一つ30坩幣紊寮个鯊舂未棒僂濬鼎佑胴柔しています。頂上に続く通路を登ってみると、上部には丸く掘り下げられた場所があり、そこから、これまでに異なった時代に作られた5つの石碑が見つかっているそうです。

 また、ピラミッドは太陽の運行と関連付けた作りになっており、宗教的な儀礼に用いられていたようです。この地域の人たちは古くから太陽や月などの天体の動きに注意を払っていたことが分かります。

 火山の噴火で滅んだクイクイルコですが、生き残った人たちは、この土地を捨ててテオティワカンに移ったとされています。それが本当であれば、クイクイルコの末裔が巨大なテオティワカンを築いた可能性があるわけです。

 見る所は、このピラミッドと併設の小さな博物館だけですから、1時間ちょっとあれば十分です。遺跡に行くというより、郊外の自然を楽しむついでに珍しい円形ピラミッドに登る、という感じで来てみると、意外に楽しめる場所だと思います。


ピラミッドの西側。頂上に続く道が備えられている。

 ピラミッドの側面を見ると、大量の石を積み重ねているのが分かる。

   頂上部にある掘り下げたスペース。屋根があるので下にあるものが見えない。立ち入りは禁止されている。。

ラテンアメリカで最高の博物館に行く

 遺跡巡りの締めくくりとして、ラテンアメリカで最高の博物館である国立人類学博物館を訪ねます。

 博物館はメキシコシティ最大のオアシスと呼ばれるチャプルテペック公園の中にあり、地下鉄(メトロ)1号線のChapultepec(チャプルテペック)駅で降りて、チャプルテペック公園内を歩けば15分程度で着きます。

 展示室の建物は中庭を取り囲むコの字型になっていて、見学順路は向かって右側の建物にある「考古学イントロダクション」から始まり「アメリカ定住」、「先古典期の中央高原」、「テオティワカン」、「トルテカ」、「メシーカ」と続きます。

 博物館の中心展示になるのは「メシーカ(アステカ)」です。各展示室の中で最大の広さを誇るこの部屋には、アステカ文明が作り出した石像や石板などが所狭しと置かれており、一歩、部屋に入っただけで感嘆の声が出るほどです。

 さらに「オアハカ文化」、「メキシコ湾岸の文化」、「マヤ」と続きます。マヤ室の見所は、メキシコ東部のパレンケ遺跡で発掘されたパカル王の墓の出土品と、現地では見れないパカル王の墓の実寸大模型でしょう。

 このほか、北方文化などの展示室もあり、とにかく広いスペースに大量の展示品があります。これだけの展示品を持つ博物館は世界的に見てもそうはないでしょう。一日で見ようとするとかなり大変です。時間がない場合は、見たいものを事前に絞り込んでいくことをお勧めします。


国立人類学博物館の正面玄関。

メシーカ室に並ぶ石像や石板。後方はアステカカレンダーと呼ばれる石板。

マヤ室にあるパレンケのパカル王の墓の再現模型。

旅の終わりに

 1カ月かけてメキシコ東部から遺跡を巡る旅をしてきました。昨年のペルー、一昨年のユカタン半島の旅とは違い、今回は、以前行ったことがある遺跡や場所を再訪するのがほとんどでした。

 時間の経過により変わったものも多いのですが、大半の遺跡はあまり変わっていませんでした。遺跡の開発が進みすぎて、神秘的な雰囲気がぶち壊しになるケースもありますので、変わらないことは悪いことではないと思います。一方、これまで行けなかった遺跡に比較的簡単に行けるようになったケースもあり、それはいいことだと思います。

 まだまだ、訪問できていない遺跡がメキシコやグアテマラなどにたくさんありますので、次回も、また新たな遺跡訪問に挑戦したいと思っています。



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