ラテンアメリカ(中南米)の古代遺跡

お勧め ベスト 5

 

中南米諸国の数多い古代遺跡の中から、ラテンアメリカ博物館の管理人が独断と偏見で選択した、「お薦めベスト5」です。ここで紹介するのは、比較的知名度が低い遺跡ですが、有名遺跡を凌ぐ素晴らしさを持っています。また、観光客があまり多くないという利点もあります。



ウシュマル遺跡(メキシコ)

ウシュマルの尼僧院。マヤ式アーチの先に見事な切り石モザイクの壁面がある。

メキシコのユカタン半島北部に位置するマヤ文明の遺跡。この地域はマヤ遺跡の宝庫で、日本でも有名なチチェン・イッツア遺跡が近くにある。両方とも世界遺産に登録されており、甲乙つけがたい素晴らしい遺跡なのだが、なぜかウシュマルは日本のテレビなどでほとんど取り上げられず、知名度が低い。

私の印象では、ウシュマルのほうがチチェン・イッツアよりも凄いと思うのだが・・・・。

ウシュマルが日本のテレビなどで取り上げられにくい理由は、視聴者受けするトピックに乏しいということだろう。チチェン・イッツアには「エル・カスティーヨ」という面白い仕掛けのピラミッドがあり、これが視聴者受けする。ウシュマルにも「魔法使いのピラミッド」という、「エル・カスティーヨ」より大きく、美しい建造物があるのだが、面白い仕掛けがないせいだろう、あまり注目されない。

しかし、実際にその場に行くのであれば、ウシュマルには、チチェン・イッツアをはるかに凌ぐ、素晴らしい建築物が数多く残されていて面白い。もちろん「魔法使いのピラミッド」も素晴らしいが、隣接した「尼僧院」と呼ばれる建物は、マヤの華麗な建築装飾であるプーク様式の最高峰とされている。その壁面モザイクは驚くほど緻密で美しく、特に、美術やデザインに関心がある人なら感動ものだ。

ちなみに、私はウシュマルには3回行ったが、回を重ねても感動は薄れることがなかった。

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ティカル遺跡(グアテマラ)

ティカルのジャガー神殿。ジャングルの中に聳えるピラミッドの姿は神秘的。

最近、注目度が上がってきている、グアテマラの密林地帯にあるマヤ文明の遺跡。スターウォーズの第1作で使われたことがあり、以前から人気は高かったが、知名度は高くなかった。しかし、近年になって、日本のテレビ番組で紹介されることが多くなり、観光開発も進んだことで、人気化している。

この遺跡の特徴は、なんと言っても神秘的な熱帯のジャングルに囲まれていること。そこには動物や鳥が数多く生息しており、人が少ない時間帯に遺跡を歩くと、カラフルな鳥の群れやサル、ハナグマなどの動物たちに出会うことができる。

ティカルはマヤ最大の都市と呼ばれるように、非常に規模が大きい。ジャガー神殿と呼ばれる1号神殿から5号神殿まで、5つの巨大ピラミッドがあり、樹海の上に頭を出している様子を4号神殿の上から見ることができる。

主なピラミッドの形状は細長い四角推になっており、特にジャガー神殿の上部に登る階段の角度は非常に急だ。以前、この階段から落ちて死亡した観光客もいる。

アクセスが簡単ではないため、観光客の数は限られるが、それでも近年はツアーなどが増えているところだ。

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ラマナイ遺跡(ベリーズ)

ラマナイの仮面の神殿。ピラミッド型神殿の階段の両脇に顔が残されている。

ベリーズの密林地帯に位置するラマナイ遺跡は日本ではほとんど知られていない。しかし、カリブ海クルーズを楽しむ欧米の観光客には人気が高い。その理由は、遺跡だけでなく、ベリーズの豊かな自然に触れるエコツアーが楽しめることだ。

ラマナイ遺跡に行くには、近くのオレンジ・ウォークの町から出るボートツアーに参加するのが一般的。ジャングルの中の川をモーターボートで移動しながら、サルやワニ、様々な鳥などを見ることができる。遺跡を囲むジャングルの植物相も、巨大な葉や棕櫚が多く、古代の森という感じがして神秘的だ。

遺跡はそれほど大きくはないが、仮面の神殿、高さ33mの大神殿、ピラミド型のジャガー神殿など、多様な建造物がジャングルの中から次々と現れ、見ていて飽きない。

古代都市だけ見るのであれば、他にもっといい遺跡はあるが、周囲の自然を含めると、これだけ楽しめる場所はあまりない。

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クエラップ要塞(ペルー)

山の上に築かれたクエラップ要塞。外敵の攻撃を防ぐため、出入り口が非常に狭い。

ペルー北部の標高3000mの山頂に築かれたチャチャポヤス文化の要塞都市。位置する場所から「北のマチュピチュ」とも呼ばれている。

外敵の侵入を防ぐために設けられた高さ20mに達する石壁が町を取り囲む壮観な光景が特徴。内部には、チャチャポヤス文化の住居跡と、この地を征服したインカの住居跡がある。上部からは、周囲の緑豊かな山岳地帯を見渡す絶景が楽しめる。

ペルー北部のアマゾナス県という、行きにくい場所にあるが、現在、ペルー政府は州都チャチャポヤス周辺の観光開発に力を入れており、観光客が増えつつある。

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月のワカ(ペルー)

月のワカの彩色レリーフが施された巨大壁面。

ペルー北部のトルヒーヨ近郊に位置するモチェ文化の遺跡で、砂漠地帯に太陽のワカと月のワカの二つの巨大神殿型建造物が残されている。

2013年時点では太陽のワカは発掘調査中で公開されておらず、月のワカのみが見学できた。その特徴は、モチェ文化(紀元前後〜700年ころ)の華麗な彩色レリーフ壁画が残されていることだ。

月のワカの内部からは土に埋もれた彩色レリーフの壁面が発掘されており、作られた当時とほとんど変わらない、鮮やかな色彩のレリーフを見ることができる。ハイライトはワカの北側を飾る巨大壁面。こちらは、表面の風化が進んではいるが、彩色がかなり残っており、迫力ある造形を見ることができる。これほど大きい壁に彩色されたレリーフが残っているのは中南米では他に例がなく、世界の古代遺跡の中でも珍しいだろう。

日本ではあまり知られていない遺跡だが、トルヒーヨから車で30分とアクセスが良く、博物館などの整備も進んでいることから、近年、人気が高まっている。

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