クエラップ (チャチャポヤス文化)  ペルー

ペルー国旗

雲の上に築かれた大規模な城塞都市

 北のマチュピチュと呼ばれるクエラップの東面城壁
 クエラップは、ペルー北部の山岳地帯に築かれた古代文明の城塞都市だ。インカ帝国が隆盛を極める前、現在のアマゾナス県のチャチャポヤス地方にはチャチャポヤスと呼ばれる文化が栄えていた。彼らが外敵の侵入に備えて、標高3000mの山の頂に建設したのがこの都市だ。

 クエラップは雲の上の都市ということで、インカ帝国のマチュピチュと比較され、北のマチュピチュとも呼ばれている。ペルー政府は、北部観光開発の目玉にしたいという意向があり、日本のJICA(国際協力機構)も、クエラップを含むチャチャポヤスの観光開発に対する国際協力を進めている。世界遺産登録の準備もしているところだ。

 クエラップを上から見ると、縦600m、横110mのミドリ虫形をしており(下図参照)、周囲を最大20mの高さの石垣で取り囲んでいる。西面は断崖絶壁、アクセスが可能な東面はほぼ垂直の石垣が600メートル続く壮観な光景が見られる。城内への出入り口は狭い通路が3か所のみで、敵が侵入した場合は上部から石を落として攻撃できるようになっている。

 こうしたことから、マチュピチュとは違って、明らかに外敵の侵入を防ぐ目的で作られた城塞都市ということがわかる。

 

 

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クエラップ周辺の山岳地帯。正面のテーブル状に見える山の頂上にクエラップ要塞がある。

 クエラップの南端の城壁。船の舳先のような形だ。

周囲を囲む高い城壁。巨石を使う日本やインカの石垣とは異なり、レンガのような緻密な石組みが特徴。

 長さが600mある、東面の石垣。

 石垣の途中に作られた出入り口。かなり狭い!

北端にある「トレオン」という見張り塔。ここからは周囲の様子がよく見え、敵の侵入をいち早く察知できたはずだ。

周囲の石垣や住居の壁面装飾にはひし形の模様がよく使われている。よく見ると、建物によってひし形内の模様が異なっていて、それぞれ意味がありそうだ。

城内は上の村(Puebro Alto)と下の村(Puebro bajo)に分けられており、境には高い石垣が築かれている。

周囲が良く見渡せる場所にあるチャチャポヤス人の住居跡。この周辺にあまり高い山はないので、非常に見晴らしがいい。住居跡の先に見えるのは、山全体が耕作地になっている向かい側の山。

かなり壁が残ったチャチャポヤス人の円形住居跡。ここには、侵略したインカ人の住居もあるが、こちらは四角になっている。

様々な資料や研究をもとに復元したチャチャポヤス人の住居。とんがり帽子屋根が面白い。

テンプロ・マヨール(大神殿)と呼ばれる建物。あまり大きくはないが、逆円錐型の壁が美しい、手の込んだ建物だ。

 城内にはリャマが放し飼いにされている。

 都市を守るために作られた狭い通路。こうした工夫にもかかわらず、チャチャポヤスに侵入したインカは、ついにクエラップも占拠する。その後、インカ人もクエラップ城内に住みチャチャポヤス人を支配したが、やがてやってきたスペイン人に滅ばされてしまう。インカに恨みを持つチャチャポヤス人はスペイン人に協力したと伝えられるが、結局は、彼らもスペイン人によって滅ばされてしまったのだ。

クエラップの訪問レポートはこちら
第12回 クエラップ要塞

 

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★★★★

評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。


 マチュピチュと比べ写真になるような場所が少ないが、規模が大きく、見どころも多いので★★★★。周辺の環境は、雄大な景色が抜群にいいが、天気が悪いと何も見えず、最悪になりそうだ。

  以前は、チャチャポヤスから車で2時間以上かかったが、2017年からは、谷を越えた向かいの村から遺跡の前までロープウェイで渡れるようになり、1時間ほど時間が短縮されたそうだ。チャチャポヤスからのツアーは毎日あるのでそれを使えば楽に行ける。

 

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チャチャポヤス近郊の遺跡位置図



 チャチャポヤスへのアクセスにはチクラヨ回りとカハマルカ回りがあるが、カハマルカからの道は険しい山岳部を通るため、チクラヨから行くのが一般的。チクラヨからはバスで約10時間かかる。

 クエラップは人気の観光地になっているため、チャチャポヤスから毎日ツアーが出ている。そのほか、ゴクタの滝、カラヒアの棺などへ行くツアーもある。チャチャポヤスの中央広場にツアー会社が何社かあるので、そこで尋ねればいい。

 

 



 
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