カミナルフユ遺跡(マヤ文明) グアテマラ





マヤの信仰が生きる「死者の丘」

カミナルフユの全景。緑の多い公園のようだ。

グアテマラの首都グアテマラシティの近郊に位置するカミナルフユ。ここは、紀元前1200年前後に定住がはじまり、西暦900年までの長い期間にわたって栄えた古代マヤの都市とされる。ちなみにカミナルフユとはマヤのキチェ語で「死者の丘」を意味する。

元々、近くにあったミラ・フローレス湖の湖岸を取り巻くように発展した規模の大きな都市だったようだが、現在は都市化の波に飲み込まれ、遺跡の大部分が破壊されたり、地下に埋没したりしている。湖はすでに消滅し同名のショッピングセンターが残るのみだ。

現在は、遺跡の中でもアクロポリスと呼ばれる、都市の中心部で、神殿群があった場所の発掘調査が進められている。ピラミッド型神殿が林立するマヤの古代都市とはかなり異り、土の神殿中心の遺跡であるため見所が少ない。しかし、現在も多くの人の間で生きるマヤの信仰の中心地として見ると興味深いものも多い。

      


遺跡にある小さな博物館の前には、着飾ったマヤの人物を彫刻した石碑が置かれている(これはイミテーションで、本物はグアテマラ歴史考古学博物館にある)。


なだらかな起伏を持つ広い公園内を博物館から北西に向かうと、発掘が行われているアクロポリスがある。

遺跡保護のために屋根掛けされた発掘現場「アクロポリス」。


マヤの遺跡というと石造りの神殿を想像するが、ここは、日干し煉瓦(アドベ)を積み重ねて作った土の神殿。マヤの古い都市にはメキシコ中央高原の巨大文明であるテオティワカンの影響が見られることが多いが、ここも同じ。神殿の横の壁面にテオティワカンのタルー・タブレロ様式が見える。


複雑な形状をした建造物だが、マヤの建造物の特徴である持ち送り式アーチが随所に見られる。


テオティワカン様式の神殿の向かいには、マヤの持ち送り式アーチが施された神殿がある。


公園入口の右手に位置するパランガーナ(Palangana)も発掘調査が進んでいるようだが、ここは低いトタン屋根で覆われており、内部に入ることができない。その前には、石碑や石柱が並んでいる。


小山のようになった立派な神殿もあるが、展望台として使われている。


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ここは遺跡というより、マヤの宗教儀式を行う場所としての役割が大きい。遺跡公園内に設けられた祈祷所では、マヤのシャーマンたちが火を焚いて祈祷を行っている。


現在のマヤの人々はキリスト教を信じながらマヤの神々も同時に信じているが、日々の不安や恐れを解消するには、マヤの神のほうがご利益があるようだ。公園内では、数人ずつ固まって祈祷を行っている様子をいたるところで見かける。


カミナルフユ遺跡の訪問レポートはこちら
第17回 カミナルフユ遺跡



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勝手に評価

評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。

 遺跡としては見るべきものがあまりない。マヤの歴史から見ると貴重な場所ではあるが、わざわざ行くほどではないと思う。ただ、遺跡と言うより、マヤの信仰の場として現在も生き続けているのが興味深い。遺跡で様々な古代の儀式を行うことは珍しくないが、たぶんにデモンストレーション的な祭祀であり、カミナルフユのような、現代マヤ人の日常的な信仰が息づいている場所は珍しい。グアテマラシティで時間があったら行ってみる価値はあると思う。

評価項目   評価
遺跡 ★★
周囲の環境 ★★★
アクセス ★★
周辺施設 ★★
お薦め度 ★★

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行き方

 カミナルフユ遺跡はグアテマラシティの中心部から西に車で15分ほど行った郊外の住宅地にある。近くにあるミラ・フローレスのショッピングセンターまでバスで行って、歩くこともできるが、治安がよくないので、タクシーを使ったほうがいいだろう。

 

 

 



 
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