ユカタン半島の主要都市メリダの南に点在する遺跡群の中で、雨の神チャックの顔の壁面「コズ・ポープ」で知られているのがカバー遺跡だ。
カバーは西暦600年ころから1000にかけて栄えたと言われる。約20km北西に位置する大都市ウシュマルの姉妹都市だったとされ、サクベと呼ばれるマヤの道で二つの都市はつながっていた。 カバー遺跡の最大の特徴は、写真のような雨の神チャックの顔を現した切り石細工に覆われた巨大な壁面が残されていることだ。丸い部分がチャックの眼で、ほとんどが折れている鼻とギザギザの口がついている。この顔1つが30もの石のパーツの組み合わせてできているそうだが、壁面全体では300近くの顔があるというから、この壁を作るために費やした労力は計り知れない。裏を返せば、それだけこの地方では水が重要だったということだろう。
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