エクバラン遺跡(マヤ文明) メキシコ



マヤの華麗な壁面装飾が残る王墓

巨大建造物アクロポリスに作られた王の墓
 エク・バランは、古典期(西暦300年〜900年)に栄えた都市で、800年ころに最盛期を迎えた後、衰退したとされている。メキシコには数多くの遺跡があるため、エク・バランの発掘調査がなかなか進まなかったが、最近になって調査と整備が進むとともに、注目度がアップしはじめた。それは、この都市の最大の建造物であるアクロポリスにある王の墓など、優れたマヤ文明の装飾芸術がほぼ完全な形で見られるためだ。
      




 エクバラン遺跡の入り口にある石碑。石に刻まれているのはエクバランの紋章文字。こうした文字は地域の有力な都市だけが持っていたそうだ。


 遺跡の南の入り口付近にある第16建造物。この建物は半円形をしたピラミッド神殿となっている。北の広場側から見ると四角い形をした3層の神殿に見えるが、裏側から見ると合計6層にも及ぶ円形の基壇を重ね、その上に神殿を乗せた独特の形に見える。


 第16建造物の上から見た北側の景色。一番奥に見える建造物がアクロポリス。中間にあるのは球技場(わずかにコートが見える)と付属の建造物だ。


 高さ33mあるアクロポリス。神殿に登るための階段が頂上まで一直線に伸びている。椰子の葉の覆いがあちこちに掛けられているのは、その下にある漆喰彫刻などを守るためだ。


 階段の最も下の部分の左右に置かれた彫刻。口を開けた蛇から舌が伸び、そこにマヤの神聖文字が彫られているというデザインだそうだ。


 アクロポリスの中腹左側にある華麗な壁面装飾を持つ建物。「El Trono(玉座)」と呼ばれているが、これはアクロポリスを作った Ukit Kan Le'k Tok'(ウキット・カン・レック・トック)王の墓ということだ。チカンナ遺跡の蛇の口の家と同じようなデザインだが、こちらは何が口を開けているのかよくわからない。ジャガーではないかという説がある(下の動画を参照)。


 王墓の上部に据え付けられた人物像。全部で7体置かれているが、こうした装飾はマヤでは非常に珍しい。写真は東角の人物像で、羽根毛のマントを着た王か神官らしき人物がほぼ完全に残っている。


  アクロポリスの王墓の動画。写真では見にくい部分も見えるのではないだろうか。


 アクロポリスの上から見た遺跡の南側。正面に見えるのが半円形の第16建造物。ここからの眺めは非常に良く、鬱蒼としたジャングルとかつて栄華を誇ったマヤの都市遺跡の組み合わせが想像力を刺激する。


エクバラン遺跡の訪問レポートはこちら
第16回 バジャドリッド、エク・バラン遺跡


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勝手に評価

評価の基準:★★★★★=文句なしに素晴らしい、絶対お薦め。★★★★=かなりいい、是非一度見てほしい。★★★=なかなかいい、見逃すのは惜しい。★★=まあまあ、期待しないで見てみてはどうでしょう。★=特にお勧めはしません。無星=なんだこれ、見ても疲れるだけ。

 マヤとしては中規模の遺跡で、バラエティに富んだ建造物があるのは評価できる。遺跡のハイライトである王墓は、華麗な装飾がこうした形で残されているのはあまり例がなく、素晴らしい。アクロポリスの頂上からの眺めもよく、そこに座って見た景色もなかなかいい。アクセスは決してよいとはいえないが、乗り合いタクシーが使えるのはいい。周辺施設は遺跡の入り口の前にお土産物屋があるくらい。全体的にはやはり★★★だろう。


 評価項目     評価
 遺跡 ★★★
 周囲の環境 ★★★
 アクセス ★★★
 周辺施設 ★★
 お薦め度 ★★★

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周辺情報

静かで落ち着いたコロニアル都市バジャドリッド

 エクバランの近くにあるのがユカタン州の主要都市であるバジャドリッド。コロニアル様式の美しい街で、観光化もそれほど進んでいないため落ち着いた静かな雰囲気が保たれている。ただ、リゾートのカンクンにはない典型的なメキシコ南部の都市の雰囲気が味わえるということで欧米の観光客には人気がある。カンクンからも近いので、エクバラン遺跡、チチェンイツア遺跡観光と合わせてバジャドリッドに滞在する人は増えている。

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行き方

 エクバランはカンクンとメリダの中間に位置するバジャドリッドという町の北約30キロのところにある。カンクンからは1等バスなら2時間強でバジャドリッドに着く。バジャドリッド市内の旅行社ではエクバランやチチェンイツアのツアーを用意している。

 個人で行く場合はタクシーを利用する。市内中心部にエクバラン行きの乗り合いタクシー発着所があるので、そこで待てばいい。帰りも、乗り合いタクシーを待つことになるが、乗客がいないと長時間待たされることもある。



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