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南米ボリビア 遺跡と大自然の旅:第4回

標高4000m超のボリビア高地を行く

 

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標高4000mの高原には野生のビクーニャが生息

ウユニ塩湖を後にして、私たちのランクルは南西に向けて走り続けました。

 標高4000m弱の大平原の中を未舗装の一本道が延々と続き、時々、野生のビクーニャの群れが草を食んでいるのを見ることができます。

 ビクーニャの毛は非常に細く柔らかいため、これを使った織物などはアルパカ以上に高級とされているのです。ただ、リャマやアルパカなどと異なり人に慣れないため、飼育は困難だそうです。以前は、毛や肉を取るために乱獲されて数が激減したのですが、保護政策が功を奏して、今ではかなり増えています。

ビクーニャの群れは良く見る

1日目は塩のホテルに宿泊

やがて、大平原の中にあるチュピカという小さな村に到着。この村はずれに塩でできた山小屋のようなホテルがあり、ここが1日目の宿泊施設になっています。外観は、塩でできていると思えないのですが、中に入ると確かに壁などが塩でできていて、歩くと床の塩がジャリジャリと音を立てます。

 各部屋にはシングルベッドが二つ並んでおり、電気も水道もあるので居心地はそれほど悪くありません。ただ、シャワーは水しか出ないようです。温水がなければ、寒くてとてもシャワーを浴びる気になれません。また、スマホやカメラの充電も食堂のコンセントで可能です。みんなが充電するため、たくさんの機器がたこ足状態になっていて、場所がないという問題はありますが・・・。

 食堂では車両ごとにテーブルが決められています。夕食時にはボリビア産の赤ワインが1本出てきました。「ボリビアのワインもおいしいんだよ」とガイドが言いますが、まあ、そこそこの味。夕食はチキンフライとポテトフライ、サラダ。食べやすく、ワインにも合う食事でした。

1日目の宿泊施設、「なんちゃって塩のホテル」

宿泊施設の部屋。床も壁もテーブルも塩でできている

夕食にはワインが付いた

 

フラミンゴがいる神秘的な湖

 2日目、朝5時ころ出発した車両があり騒音で目が覚めました。ツアーによってルートが違うのでしょう、私たちの車両は出発時にもたつき、8時過ぎになって出発となりました。

  途中、チナグア塩湖を通り、南のエドアルド・アバロア自然保護区を目指します。この辺りは標高5868mのオヤグエ火山などがあり、広大な砂漠地帯を走る車窓から素晴らしい景色が楽しめます。

 途中にはいくつかの湖があり、水の中にいるフラミンゴの群れを見ることもできます。雪を被った山の麓に広がる湖にフラミンゴが群れる光景は神秘的な感じがします。

この日の昼食は、途中の景色がいい場所に車を止めて摂りました。宿泊したホテルで用意したものでしょう、チキンとソーセージにポテトフライとサラダが付いています。野外で食べるのは気持ちが良く、食が進みました。

途中の渓谷にたくさんのリャマがいた

アンデスの山々を見ながら車は走る

湖にはたくさんのフラミンゴがいた

野外で食べる昼食はうまかった

 

「石の木」がある砂漠

その後、アルボル・デ・ピエドラ(石の木)に到着。風化や浸食によってできた奇岩が集まっている場所です。特に有名なのが、細い幹から葉が茂った木のような形になっている石です。オーバーハングが誘うのか、そこに上ろうとする人がいましたが、ガイドに止められていました。

 周囲の砂漠を歩いていた時、小さな狐が現れました。人間を見ながら周りをうろうろしています。観光客が与える餌を待っているようでした。

溶岩が固まった岩が集まる場所で休憩

これが「石の木」。長い年月をかけ奇妙な形の石ができた。

砂漠に現れた子狐

憧れのラグナ・コロラダに到着

夕方になって、この日のハイライトであるラグーナ・コロラダに到着です。赤い湖という意味の名前の通り、赤く染まった不思議な湖面が目の前に広がっています。これは湖に赤い藻が繁殖しているためだそうです。また、湖面にはピンクのフラミンゴの群れがいて、荒涼とした景色に花を添えています。

 ガイドが「この湖の色は時間帯によって変化するんだ。こんなに美しい場所は他にない」と言います。同じ赤でも太陽の光の具合によって、深紅から淡いピンクまで変わっていくようです。

 昔、テレビでこの湖をチリ側から目指した番組を放送していました。何日もかけて大変な悪路を4WDで乗り越え、なんとかここに辿り着いた人達を見て、「大変だけど、ここに行ってみたい」と思ったものです。それを思い出しながら、目の前に広がる絶景を眺めていると「ここに来れてよかった」と感じました。

赤い湖ラグナ・コロラダ

湖にはフラミンゴの群れがいる

フラミンゴを比較的近くで見ることができる

2日目の宿泊は自然保護区内のロッジ

2日目の宿泊はエドアルド・アバロア自然保護区の中にあるロッジです。ドイツ人夫婦が追加料金で二人部屋に入ったそうで、私と日本人の若者は夫婦の二人の娘と4人部屋に入りました。

 電気は夕方7時から9時ころまでしか使えません。7時になるとすぐ、ロッジの管理人にカメラの充電をお願いしました。夕食はスパゲッティ。食べたらすぐ寝る。シャワーは水ですから、また浴びられませんでした。困ったのはトイレです。夜は電気がつかず真っ暗ですから懐中電灯が必要なのですが、忘れてしまったのです。悲惨!!

大自然の中のロッジ

部屋は様々なタイプがあるが、私たちは4人部屋だった

食堂で夕食のスパゲッティを食べる

世界一高い所にある温泉

翌朝は5時出発です。標高4300mの朝は寒いです。車のフロントウインドウが凍り付いていて、運転手はワイパーを動かしても氷がうまく溶けないため、前が見えない状態でしばらく運転していました。「事前に氷を溶かしておけよ」と言いたくなりました。

 暗闇の中を走ると、白い煙がもうもうと立ち上っている所に出ました。先行車両が何台も止まっていて、大勢の人が煙の周辺を歩いています。車から降りると、硫黄の臭いがして、蒸気が噴き出すシューという音がしています。間欠泉です。しばらくすると、噴出音が急に大きくなり、地面から勢いよく蒸気が噴き出し始めました。気温は氷点下なのですが、蒸気は温かくて気持ちよく、そこから動きたくなくなりました。

 そこから少し先には温泉があります。湖の岸辺から温泉が湧いていて、プールのような露天風呂が作られているのです。脇にある小屋で水着に着替えた人たちが大勢温泉につかっています。たぶん、世界で最も高い場所にある露天風呂でしょう。

 ちょうど太陽が山から顔を出して上り始め、みんな温泉で暖まりながら美しい日の出の風色を楽しんでいました。私は、水着がないので入れませんでした。

凄い勢いで噴出している間欠泉のガス

日の出を見ながらの温泉は気持ちよさそう

シュールな光景のダリの砂漠

この日はエドアルド・アバロア自然保護区を南下してチリとの国境まで行きます。標高4300mから5000m近い高地の移動です。

 途中には「ダリの砂漠」と呼ばれる場所があります。尖った茶色の山々に囲まれた高地には植物が育たず荒涼とした光景が広がります。それが、ダリが描いたシュールな光景に似ているためこの名がついたのです。

4000m超えの砂漠を車は走る

ダリの砂漠で一休み

リカンカブール山に登れるの?

やがて、行く手にチリとの国境に位置するリカンカブール山が見えてきます。標高5916mの富士山に似た円錐形の山です。同行の日本人の若者はこの山に登るために来たそうです。彼曰く、ベースとなる場所が4500mほどあるため、5900mもある山にしては登りやすく、登山する者が多いそうです。

 国境の山小屋に車が到着。ガイドと若者は登山のために必要なガイドを探しに行きました。ところが、ここにはガイドがいなかったのです。

 「事前の話と違う」と若者は言いますが、小屋の人は「仕方ない」と言うだけ。「これからガイドや車両の用意ができないのか」と聞くと、「誰か別の登山者がいればいいけど・・・」と言います。若者は「一人で全額支払う」と言うのに、曖昧な返事しか返って来ません。

 「仕方ないので、ここで別の登山者が来るのを待つ」と言う若者を小屋に残して、私たちは来た道を戻ります。

チリとの国境に到着

美しいアンデスの山。上れそうな感じもする・・・

ウユニへの帰還

途中、奇岩が並ぶ場所を見たりしましたが、ランクルは荒野の道を北に向かってひた走ります。やがて、山間の小さな村に到着。ここにはホスタル(小さなホテル)があり、長距離走行の疲れを癒すとともに、昼食を取りました。

 その後は、ひたすら走り続けました。3時ころにサン・クリストバルという町で休憩。そこから1時間半ほどたった4時半にウユニに帰って来ました。

奇岩が集まる場所が多い

帰り道は行きとは感じが違う渓谷を走る

昼食を摂った村のリャマがりりしかった

最後の町でアイスクリームを食べた

2泊3日のツアーは車に乗り疲れました。しかし、他では見ることができない素晴らしい景色を堪能できましたし、3日間、病気や車両の故障・事故など、何のトラブルもなくツアーを終えられたのはラッキーだったと思います。

ツアーのルート図

線

 

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「第5回」に続く

 



 
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