PR

 

南米ボリビア・ペルー 遺跡と大自然の旅:第12回

マチュピチュに列車で行く!


前回に戻る 目次に戻る 次回へ進む


マチュピチュ・トレッキングツアーを断念

3年ぶりのクスコです。  今回はトレッキングでマチュピチュに行くつもりしたが、シーズンオフでもあり1泊ツアーの参加者が集まらず、断念しました。トレッキングツアーは3泊4日のツアーの方に人気があり、1カ月以上前に予約しないと参加できないほどと聞きました。もう少し若ければ当然3泊4日を選択したのですが、残念です。

 ただ、今年は天候が不順で、例年ですと4月になればほとんど雨が降らなくなるのに、今年は毎日のように雨が降っています。このため、インカ道のトレッキングはかなり大変そうで、「行かないでよかった」とツアー会社の担当者が言っていました。

 そこで、マチュピチュには列車で行くことにしました。

 マチュピチュ行きの観光列車には3種類あり、一番料金が高いのがオリエント急行と同じ豪華列車の「ハイラム・ビンガム」。食事、マチュピチュ遺跡までのバス、入場券、ガイドまでついた日帰りツアーが9〜10万円とかなりの高額です。

 次が「ビスタドーム」。料金は時間と区間によってかなり差があり、オリャンタイタンボ〜マチュピチュ間で片道7000円〜1万2000円ほど。最も安い「エクスペディション」は同区間で片道6000円〜9500円ほどです(価格は時期によっても変わる)。

 タイムテーブルを見ると、マチュピチュ日帰り観光に都合がいい朝8時オリャンタイタンボ発と夕方4時ころマチュピチュ発のビスタドームが高いのです。私はマチュピチュ村で1泊する予定ですので、行きは、午後3時37分オリャンタイタンボ発のビスタドームを選択。この列車の料金はエクスペディションと変わりません。帰りは朝9時ころ発のエクスペディションにしました。

ペルーレイルのホームページに掲載されているハイラム・ビンガムの列車内写真。

ペルーレイルのホームページに乗っている列車のルート図

クスコからオリャンタイタンボへ移動

ペルーレイルのルート図ではポロイ(POROY)からマチュピチュまで示されていますが、列車の多くは途中のオリャンタイタンボから出ますので、まずは、クスコからそこまで行く必要があります。

 朝、インカ時代の太陽の神殿コリカンチャ近くのバス会社の前まで行くと、タクシーの客引きにつかまりました。乗り合いタクシーはバスより早いし、料金も大差ないのですが、運転手によってはものすごくスピードを出すので危険なのです。

 客引きは「バスはまだ発車しないが、タクシーはすぐ出る」と言います。そんなに急ぐわけでもないのですが、待っているのも面倒だし、助手席に座れると言うのでタクシーで行くことにしました。

 同乗者の女性が運転手に「安全運転でお願いします」と言っていました。以前乗ったタクシーでは何度も事故にあう恐怖を感じました。しかし、今回は2、3回危ない思いをした程度で済みました。

インカの神殿コリカンチャは教会になっている

オリャンタイタンボにも見所は多い

タクシーはオリャンタイタンボ村を抜けて駅の近くに止まりました。そこにはペルーレイルとインカレイルのチケットブースがあって、列車の当日券が買えるようになっています。シーズンオフですから、列車は空いているようでした。

 ところで、観光客のほとんどはマチュピチュにしか興味がないようですが、オリャンタイタンボにはマチュピチュ以上に素晴らしい遺跡があり、インカ時代から残る村も味があっていいのです。もし、1泊2日でマチュピチュに行くのなら、オリャンタイタンボ遺跡や村にも寄ってみることをお勧めします。私はこの遺跡にはすでに3回も行っていますから今回はパスし、列車の時間まで村の中をじっくりと見学することにしました。

オリャンタイタンボ村の中央広場

村の観光化が進み、レストランやホテルがたくさんある。

村の中には、インカ時代からの石垣が残る

村からオリャンタイタンボ遺跡が見える

最前列の席が取れた!

列車の発車時間になり、いよいよビスタドームに乗り込みます。その名前通り、客車の天井角部分が丸いガラス張りになっていて、上の方の景色も見えます。実際にはあまり意味はないのですが・・・。

 チケットには座席指定の番号が2と記されていました。最前列を見ると、運転ブースの横が2席設けられています。前の窓から進行方向を見ることができるのですから、この列車の中で最良の席と言えます。間もなく、年配の白人女性が隣に座りました。聞くと、「アメリカから家族で来たが、私一人先にチケットを予約したのでこの席が取れた」と言います。

 後で、チケットの予約をお願いしたツアー会社の担当に聞くと、「早く予約しても席の指定はできないので、その席が取れたのは運がいい」と言っていました。

オリャンタイタンボ駅の入り口

列車に乗り込む乗客たち

ビスタドームの客車内

列車内のサービスには満足

発車時間になって雨が降り出しました。しかし、小雨程度ですので前方の視界は良好です。ドリンクサービスで、マラクジャ(パッションフルーツ)ジュースを頼むと、キヌアを使ったケーキも一緒に持ってきました。「これは何?」と質問すると、女性スタッフは笑顔で丁寧に説明してくれます。

 ジュースもケーキもおいしいし、日本にも負けないおもてなし精神がここにはありました。やはり、列車のグレードでサービスが変わるのです。帰りのエクスペディションでは、これほど丁寧なサービスはしてくれませんでした。

車内サービスのジュースとケーキ

列車はウルバンバ川沿いを走る

列車が、突然、森の中で停車

列車は激流のウルバンバ川沿いを快調に走り、1時間ほど経ちました。突然、列車がスピードを落としました。前方を見ると、先行した列車が止まっています。「どうしたのかな?」と思っていると、前の列車に接近して停まったのです。

 間もなく車掌がやって来て「崩落事故があって、しばらく停車する」と言うのです。「どのくらい?」と聞くと、「2時間はかからない」と言います。

 「2時間!」思わず聞き返しました。オリャンタイタンボからマチュピチュまで1時間半なのですから、それ以上待つことになります。以前、崖崩れで線路が埋まってしまい、列車が引き返すこともあったそうですから、それよりはましと思うしかないです。

 隣の線路を、作業員を乗せたトロッコが走って行きました。「頑張ってくれよ」と思いました。

 1時間を過ぎたころ、再び車掌がやって来て言いました。「あと2時間ほど待ってほしい」。私が「それは確実?」と聞き返すと、車掌は顔を曇らせて「私は作業員ではないので、確実とは言えない」と答えます。そりゃそうだねと思いながら、絶対2時間では無理だと感じました。

 外は暗くなり始めていましたが、乗客たちはじっとしていられなくなったようで、列車のドアを開けて降り始めました。私も外に出てみました。客車内は暑いのですが、外に出ると夕方の空気がひんやりして気持ちいのです。作業現場までは距離があって、様子を見られないのは残念でしたが、一時的な気晴らしにはなりました。

森の中で止まった列車

大勢の客が列車から降りてうろついていた

光あふれるマチュピチュ村に到着!

待つこと4時間。夜8時半になってようやく列車が動き出しました。下手をすれば、夜中になるかもしれないという不安を感じていただけに、嬉しかったです。乗客たちからも歓声が上がりました。

 9時過ぎになって、列車は沿線にレストランやバーなどが並び、まばゆい光が溢れるマチュピチュ駅に到着しました。35年前は周辺にバラック小屋が立ち並ぶだけのド田舎の駅でしたが、今は数えきれないレストランやホテル、土産物屋が駅周辺に密集する一大観光地となっており、常に大勢の観光客で溢れているのです。マチュピチュがいかに人気のある観光地となっているか思い知らされた感じです。

マチュピチュ駅の夜は賑やか

観光客で賑わうメインストリート

線

 

「第11回」に戻る

 

「第13回」に続く

 



 
ラテンアメリカ博物館
Copyright 2017, K.Norizuki.all rights reserved